連日、高齢者が運転する自動車事故が関心を集め、社会問題にもなっています。都市に住んでいると電車やバスの公共交通機関があるので不便を感じませんが、人口密度の低い地方では自動車のない生活は死活問題です。
25日にTBS「ラジオなんですけど」には、アクセルペダルの踏み過ぎを防止する装置の特許を取得した人が登場していました。長年、この問題に取り組んでいる人です。
司会の久米宏さんの質問に開発者のナンキ工業南平次さんは、自動車メーカーが踏み間違いアクセルの防止装置を開発するのは決して難しい技術ではない。ただ、日本車市場の関心が省エネ自動車や自動運転車に向いている。
考えてみますと、自動車の開発部門は全員が50歳代以下の若い人ばかり。しかも現在は、デジタルで制御するシステム開発がほとんどの自動車業界で、アナログによるブレーキ装置を考える余地はなさそうです。
わたしは、高齢ドライバーの自動車事故は社会問題になっていますから、自動車業界はしのぎを削って開発競争をしていると思い込んでいました。実際はほとんど手つかずの問題だったようです。
自動車市場とはいえ、小さな町工場が参入する余地はあったのです。考えてみますと、50年の歴史がある富山市の光岡自動車も、大手が手を付けないボディー改造車開発でオンリーワン企業です。
寡占化した市場は、中小が参入することなどまったくムリを考えがち。ただ、市場の中に首を突っ込んでよく見まわしてみると、大手が取り組む市場と違う特殊な小さな市場は、業界にはそれぞれ探すとあります。
【ひと言】
ラジオ番組の中で、この装置の価格を99800円と言っていました。価格の詳細について言っていませんが、取り付け料込みでも10万円は高い。将来の普及予想をどのように考えているか分かりませんが、高すぎると偽造品が多く出回り逆に事故を増やすことにもなります。現代は多様性の時代、画期的な開発ほどチームで取り組み多様な意見を聴く必要があります。
