米国トランプ大統領が来日したこともあって、日本国内には米中貿易摩擦はこれ以上拡大することがないという空気が強くなっています。経済的に、貿易は拡大することでウィンウィンの関係性が強くなるはずと。
現在日本では、米中の関税問題ばかりに目が向けられていますが、最近の世界の視線は少し違った方向に向いています。その聞きかじりの一端を紹介してみます。
第二次大戦後、米国はソ連と長い間冷戦状態が続きました。軍事と政治と経済との第一位と第二位とががっぷりにらみ合っている状態で、結局はソ連が崩壊するまでこの状態は長くことになります。
その後、日本経済がバブルの一時著しい成長を遂げ、日米間の険悪な時期がありました。日本国民は、米国と肩を並べるなど思いもしませんでしたが、世界の上位二国間には、常にこの緊張した状態が付きまといます。
中国は長いこと、米国とのパートナーシップを利用することで国力を高めてきました。それが習近平体制になってからは、主席の任期を取り払い独裁体制に近い国に変わりつつあります。
米国は、トランプ大統領の再選戦略に関わるニュースばかりが大きく取り上げられています。一方で、対中国戦略については、共和党と民主党が歩調を合わせて中国叩きを続けています。
例えトランプ大統領が20年の再選で失敗することがあっても、対中国政策の方向性においては変わらないと言われています。当然、米中貿易摩擦に関しても白黒がつくまで簡単に両国は引かないと思います。
このシナリオで考えますと、日本企業にとってこれからの事業戦略、とりわけグローバル戦略は難しい局面が続きます。中国市場重視を続けるか、他のアジアに軸足を移すか、米国に向かうか、日本国内に戻すのか。
個人がこの展開で何ができるか考ええるなら、あなたのこれから進みたい市場の各社の動向をよく観察すること。米中の摩擦が激しくなると、副作用で思いもしなかったチャンスが生まれます。見逃さないことです。
【ひと言】
世界市場の変化は、その後間違いなく国内の小さな市場にも影響が及びます。政治や経済ばかりでなく、近年は海水温や気温の変化、人の移動の変化、不況による変化など、よく注意して観察していますと、ビジネスのヒントが各所に見て取れると言われます。人とは違った視点を養ってください。