モスバーガー、プレナス、バーガーキング、吉野家、サブウェイといった飲食店大手が、軒並み業績悪化に苦しんでいます。飲食業の前に厳しかった居酒屋も地盤沈下が進んだままです。
国民の高齢化が進み、収入の減少と食欲が細くなっていることも影響し、飲食業にしわ寄せが起こっています。また、コンビニや持ち帰り店の増加で、弁当やおにぎりを買って軽く食事を済ませる人の増加も見逃せません。
飲食店の場合はその上に、食材の値上がりや人件費上昇も加わり経営を圧迫しています。居酒屋で開業する人が減っていますが、飲食店での開業もこれまで以上に減ることが予想されます。
最近の面白い現象は、飲食店がこれまでの食事中心のメニューに、軽くお酒を勧める「ちょい飲み」が広がっていること。逆に、居酒屋が軽い食事を売りにして勧めるケースも増えてきています。
どちらも来店客の希望に合わせ、メニューもお店の営業スタイルも変えて、個性の強い顧客ターゲットを絞り込んだ店づくりが、最近の流れになってきました。
「アスラボ」は、複数の飲食店を1カ所に集めて開業する、新たな横丁づくりの仕掛けビジネスを展開しています。これまでに、甲府、宮崎、大分、鹿児島、徳島に横丁を作ってきました。
この「アスラボ」の仕掛けで興味深いのは、接客や会計などスタッフを各店共有にして人手不足対策していること。夜の営業ばかりでなく、朝や昼にも開業希望者が利用できるよう、シェアキッチンにしていることです。
確かに飲食店の市場は頭打ちょい感が強くなっています。ただ、従来型飲食店営業が厳しくなっているのであって、これからの時代には新たなスタイルの飲食店開業を持ち望んでいるとも言えます。
【ひと言】
飲食店を酒と食事をするとか、人と話をする場所と限定すると、店舗の用途は限られます。最近、人と出会うための空間とか、スポーツ観戦のための空間とか、用途が広がってきました。発想を変えるとまだまだ飲食を伴う空間づくりは拡がる気がします。食べる、飲む、話すだけの方が無理に用途を限定しているのかも知れません。
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