民泊法が施行され1年が経ちました。わが国での新たなビジネスとして起業が期待される民泊ですが、時間の経過とともに次第に民泊の長所と短所がはっきりしてきました。
当初、無届け営業の多かった民泊ですが、昨年6月の民泊法施行以降は大幅に減少し、その後徐々に増加を続けています。ただ、まだ1年目なのに既に5%の民泊は廃業届をだしました。
中小企業が新規事業として民泊経営に乗り出した場合、営業日数180日間や利幅の低さを理由に民泊を止め、簡易旅館やホテルとして営業転換を図る会社が増えています。
また、首都圏での民泊は施設数が増えず、ホテル、旅館など全ての宿泊施設に占める民泊の割合は1.5%です。大都市圏での民泊ビジネスは地域住民の反対が強く思うように増えていません。
これが地方での民泊になりますと、北海道、北陸、中部など民泊ビジネスは予想以上に増えています。しかも、その多くは個人事業者が経営する民泊で、地域の活性化にも役立っていると言います。
本来の民泊は、英国での家族が経営するベッドと朝食を提供するB&Bをモデルとしています。中小企業が新規事業として投資の対象にするにはビジネス規模からいっても無理があるのは確かです。
日本経済の将来を考えますと、年金問題にしろ財政事情にしろ中高年の老後生活は不安だらけです。人に使われず自分のペースで宿泊施設を運営できる民泊は、少額ですが生活の足しにはなります。
不況が身近に迫っている中で、日本にまでお金を使いに来てくれる外国人観光客の皆さんは大切なお客さま。ボケ防止のためにも、リタイアするより民泊での起業は注目できます。
【ひと言】
民泊法施行から1年では、多くのメディアが民泊の現状を取材しています。ただ、手っ取り早く話を聞くには、手広く民泊を開業している企業経営者を対象にしがち。個人事業者の声はほとんど聞くことがありません。そのため、民泊での開業はビジネスにならないという声ばかり集まりますが、個人事業者からは順調に推移している声も多いようです。
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