日本社会は高齢化が進んでいることで、健康に対する関心はこの20年以上に渡り非常に強くなっています。健康に関するビジネス市場もどんどん広がり続けています。
わたしのところへの相談も、小型フィットネスの開業を考える人から多いです。ただ、女性向け30分フィットネス「カーブス」や小型筋トレ向け「ゴールドダム」などは、一時の広がりの勢いはなくなっています。
今は、ITを最大限活用する小型フィットネス「エニタイム」の広がりがそろそろ終盤にかかるところ。大半の大都市には、ガラス張りで内部が見える「エニタイム」の施設をよく見かけるようになりました。
「カーブス」の決算をチェックしますと、FC展開をしていて店舗数は前年比で1.7%増ですが、売上げは1.1%増に留まっています。会員数も昨年比で8千人減少し加盟オーナーからは嘆きの声が増えています。
フィットネス市場全体をみると、ボリュームゾーンと言われる70代前後の団塊世代がフィットネスクラブを辞める年代に入っていて、これからは市場の縮小が避けられません。
それに今フィットネス開業に熱心なのは大手や中小の企業が中心です。景気の風向きが徐々に悪化していることもあって、手元資金による多角化の一環としてフィットネスビジネスに向かっています。
それでも開業することを考えるなら、お客さんを相当絞り込んで新たな切り口のフィットネスで開業するしかなさそうです。お客さんは確実に存在する市場ですから、どのタイプの人たちに振り向いてもらうか、切り口の勝負になりそうです。
【ひと言】
小型フィットネスでは、この10年ほどの間に開業した人が大勢います。新潟では、主婦の方が高齢者向けの健康施設を開設して軌道にのせています。中小企業が多角化の一環として開業したケースも多いです。フィットネスは健康目的とは言いながら成功する条件は、一にも二にもコミュニケーション能力の高い人が多くのお客さんを集める、接客ビジネスであることを忘れないことです。