東京商工リサーチの調べによると、2018年マッサージ店の倒産は93件で5年連続の増加でした。全国で93件は少ないように思えますが、負債総額1千万円以上の倒産を対象にしています。
マッサージ店の場合小規模事業者が多いため、倒産する前に廃業するケースが少なくありません。わたしの街でもこの1年ほどで3店が閉店していますから、マッサージ店にとって逆風が吹いていることは確かです。
この逆風は類似した業種の、接骨院、エステなどでも吹いているようです。90年代後半の大不況で仕事が見つからない時代、医療など公的支払いが見込める確実なビジネスとして、マッサージ・接骨院の専門学校が多数できました。
あれから約20年、卒業生が続々と開業したことで過当競争状態に陥っています。その上、5年位前まで労働環境は厳しかったのに、今は働き方改革でマッサージを受ける患者さんの総数も減っているようです。
現代のビジネス環境は5年程度の周期で変化を続けています。これまでに起業してそこそこ成功していた人でも、5年が過ぎるころから市場に変化が起き厳しくなっていきます。ここまではミクロの目でみた経済です。
来日外国によるインバウンド景気も、ほぼ5年程度で大量の購入は終わりました。妖怪ウオッチ、ハイボール、うんこ漢字ドリルも、急上昇したビジネスの売れ行きは長くは続きません。
これから起業を目指す人によく言うことですが、例え起業当初は順調であっても、いつまでも好調さが続くとは思わないことです。次の波が来る前に新たな対策を考える必要があります。
そんな大変な起業なら止めた方が思う人もいますが、勤めている会社側も終身雇用はできないと言い出しています。これまでと違い、デジタル時代は素早い変わり身が求められます。
結局、今求められるのは高いスキルを身に付け、研ぎ澄ました能力によって、自分の望む仕事を続ける環境を自分の手で作ること。もう会社や政治や運に任せることはできなくなっています。
【ひと言】
起業前にはほとんど見えなかった世界が、社長や事業主になったことで見えてくるってよくあります。お客さん心理なんて、開業していない人はほとんど考えません。今日の天気は来店客が多い、少ないなんて考える人はほんの一部の人。これから起業する人は、絶対値と相対値のようなビジネスの基本を身に付けておくと、時代の変化に対応する能力がつくことは確かです。
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