日経MJはこのほど、18年度専門店調査の結果をこのほど公表しました。
この調査の専門店は、アパレル、衣料品、家電、時計・宝飾品、ディスカウント、スポーツ品、家電量販店、酒類、家具、玩具、書籍、リサイクル品、生活雑貨、100円ショップなど、多岐に渡る専門小売店が対象です。
まず一番驚いたのは、これら専門店は対面小売りだけでなくほとんどが通信販売も手掛けていて、そのうち利益が出ていると答えたのは44.8%。ほぼ半数の専門店は通販ではトントンか赤字になっていることです。
専門店がネットでいくら頑張っても、利益の多くをプラットフォームと言われる運営会社アマゾン、楽天、ヤフー、ZOZOタウンなどに持っていかれる現実があります。対面販売とネットとをどうつなげるか、これからの専門店の課題です。
また、どこの業界でも最大手1社による寡占化が年々進んでいます。カジュアル衣料はユニクロ、総合ディスカウントのドン・キホーテ、靴のABCマート、スポーツ用品のアルペン、家具のニトリなどがその代表例です。
ユニクロ、ニトリ、ドン・キホーテなど専門店大手が生む営業利益は、小売り最大手のセブン&アイが1位、ユニクロ2位、イオン3位、ニトリ4位、ドン・キホーテは6位、良品計画8位、ABCマート9位、しまむら10位と専門店がずらりと並びます。
近年の特徴は、業界を上げて好調業種がほとんどなくなっていること。ドラックストアや100ショップで8割以上の会社が売上げ増を記録していますが、その他の業界は好調な会社と苦戦する会社とが隣り合わせです。
経営者の能力に依存する割合が高くなっています。特に大手企業の市場占有率が高い業種の場合、小企業は大手同業者にはない独自性を発揮しないことには、お客さんを引き付けることは難しいです。
今後日本経済も、世界的不況到来と同様に1、2年後には厳しい環境になることが予想されています。事前にしっかりと経営戦略を考え、大波に飲み込まれない経営を考える必要があります。
【ひと言】
以前は、景気がよくなると商店街や街全体が好景気に沸きましたが、21世紀に入ってから同じ街でも、お客さんの集まる店と集まらない店とが色分けされるようになりました。経営者の戦略や能力が、色濃く集客に反映されるようになっています。多分、お客さんの側が以前と比べると、格段に情報量が増えていることが影響していると思われます。お客さんが増えるかどうかは、ひとえに接客する人の能力懸かっていることをお忘れなく。
