現代の日本の産業で世界の先頭を走っている業界というと、村田製作所、日本電産、京セラ、ロームなど電子部品があります。最新の日経調べによりますと、この業界の4-6月期は8%のマイナスでした。
自動車向け部品にも陰りが見えます。マンション販売も、バブル崩壊後の92年以降では最低の販売水準です。マイナス金利が続いていますから在庫を抱えても生き延びてはいますが、厳しい環境が続いています。
製造業では、景気の波に最も影響を受けやすいマザーマシンの工作機械受注額が6月、前年同月比でマイナス38%と大幅減を記録しました。今年4月以降、発表される経済データのほとんどがマイナスになっています。
中国の4-6月期GDPも6.2%で、99年の調査開始以来最低の数字です。米国までが、4-6月期GDPの速報値は+2.1%。1-3月の前期は+3.1%ですから、マイナス1・0%と大幅な減少です。
昨年秋から、世界の景気はマイナス基調のまだら模様で進行していましたが、今は公表データのほとんどがマイナス。後は、最後のドアを開くのはどこの国なのか、11年前のリーマンのようにキッカケ探しの状態です。
景気は循環する性格をもっていますから、今は下降段階の景気後退から不況に入る入口に立っているところでしょうか。ビジネスによっては遅れるモノもありますし、既に不況段階に入っているビジネスもあります。
過去のリーマンショックや通貨危機を振り返っても、今後不況がくることを認識している人と、再び好景気が到来すると信じている人では、これからの対応がまったく違ってきます。
現在抱えている目標が、今以上の売上げ増加を目指すのか、売上げよりも事業の継続を考えるかの違いです。売上げを増加させていると何とかなると考える経営者は少なくありません。
ただ、頑張って売上増を続けていても、取引先会社が負債を抱えて倒産すると、せっかくの売上げが貸付負債になって足を引っ張ります。2件3件と負債が増えてきますと、今度は自分の会社の倒産する可能性が高くなります。
右目で目先の利益を負うことも大切ですが、片方の左目は自社を取ります経済環境の行方を認識しておくことも大事です。今の時代、広域の経済状態を認識することは難しくありませんから、他人事と思わずに警戒を怠らないことです。
【ひと言】
安倍首相やトランプ大統領の登場によって、日米の企業は経営がとてもやりやすくなったと言われます。二人とも大幅な企業減税を実現していますし、景気刺激のため経済政策にも熱心です。ただ、どんなに企業支援をしてくれても、数年に1度は不況が起こりますし、自分の事業が時代遅れになることもあります。
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