現在進行している米中貿易対立は、これまでに世界が経験したことのない争いなのでは? 過って、米国とソ連との間で対立はありましたが、軍事対立が中心で貿易は互いに制限していて低調でした。
しかも米中関係は、貿易不均衡をキッカケに軍事や政治の枠組み作りにまで及んでいます。当初、大統領再選に向けたトランプ大統領対中国の対立のはずでしたが、今は米政権に野党も一緒になって中国の拡大阻止をしようとしています。
日本政府も韓国に対し、経済制裁を課したことで経済対立の状態に陥っています。香港では、中国からの支配から脱するための抵抗運動が激化し、英国もEUからの離脱を巡って国内が揺れています。
第二次大戦後、これほどまでの世界的な経済対立はありませんでした。米国は世界第二位の経済大国中国に対し、今のうちに経済規模の拡大に歯止めをかけようとしています。そのため、この対立終結までには時間がかかります。
もし、現状のままで大規模な不況が発生した場合、これまでのリーマンショックや通貨危機、IT危機の時のような、各国の金融当局と中央銀行が主体になった協調体制は期待できません。
各国は自国の能力の範囲内で企業の救済と景気刺激をするしかありません。日本の場合、金融機関に支援を受けるゾンビ企業が多い、長期のゼロ金利により金融機関に余力がない、そのうえ財政赤字が膨大で円の信頼性が問われる局面も心配されます。
世界的に株価の下落も始まっており、経済に黄信号が点滅しています。この先、何が起こるか分からない状態ですから、大きな投資は控えるべきです。先行きが少しは見えるようになってからの投資でも遅くはありません。
【ひと言】
1997年は、北海道拓殖銀行、山一証券、三洋証券などが倒産した年です。この時期以降日本のマスコミが大騒ぎをしたのは、金融機関が破綻した場合の預金保護額でした。政府は、最悪の事態を想定した準備は何もしていません。保護されることを考えるよりも、急な展開の変化の中で新たなビジネスチャンスを考える方が自分のためです。
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