青森県弘前市で手形割引を行う会社が倒産し、県内では連鎖による中小企業の倒産が増えています。1~6月期は8件だった倒産が、7月・8月の2月間で9件と急増しました。
地元に密着した60年以上の歴史がある民間金融の倒産は、地域経済に大きな影響を与えます。メディアに流れる発表記事を読んでいて、その裏には今手形割引の取引が減っていることが判ります。
また、手持ち資金を運用して収益を上げる金融機関にとって、日銀によるマイナス金利政策は大きな負の影響を及ぼしていることにも気づきます。地銀、信金、信組なども経営が相当厳しくしているはず。
一般に新聞やテレビが取材発表した表の記事に対し、そこから生まれる余波の影響力を考えることを裏読みといいます。ビジネス世界では、この裏読みによる消費者心理の変化を受け、利益につなげる行動を起こします。
メディアが発表する情報は、国民の不安を煽る結果になってはいけないし、間違えるとメディアの信用にも関わるので通り一遍の情報になりがちです。決して踏み込んだ判断を載せることはありません。
個人が、そこから裏読みをして自分のビジネスに生かすことは勝手です。ただ、読み違えて大きな失敗をするケースも少なくありません。そのため、日ごろから関心のある情報を基に裏読みの訓練をすることが大事です。
セブン&アイの前CEO鈴木敏文さんは、「企業経営とはお客さんの心理学の世界」と言っています。絶えず社会の変化を追いながら、その裏側に起こっている文章や言葉を聞き分けることです。
最初は間違えることも多くあります。ただ、何度も続けているうちに、習慣が大きな経験になります。また自分が進みたいと思う、対象ビジネスに絞り込むことも次第にできるようになってきます。
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【ひと言】
9月1日から、日本経済新聞最終面「私の履歴書」に経営学者 野中郁次郎さんが登場しています。日本の経営学の第一人者として知られています。経営者が語るビジネスの世界とは違って、経営学からみた自分のビジネスを考えるキッカケになります。日本の起業は、儲けることばかりが前面にでて、人に役立つビジネスは関心が薄いですが次第に時代は変わっています。よかったら読んでみてください。
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