今から12年前、Apple社からiPhoneが売り出された時、既に携帯電話は多数売り出されていましたから、日本の経営者やビジネスマンの多くが、「この程度のスマホなら自分の会社でも作れる」と考えていました。
実際、その後の日本企業は、競ってスマホ製造に注力しています。結果として12年経った現在もスマホを製造している会社は4、5社くらい、Appleとは比べ物にならない規模で細々とした製造です。
開発当時からApple社が目指していたのは、購入者が満足するスマホの製造です。一方、後続の日本メーカーの多くが目指したのは、スマホを作るための高い技術力だったといわれます。
他人が立ち上げた起業に対し、あの程度の事業なら自分にもできると考える人は大勢います。この時向かっている視線は、商品や販売システム、仕組みなど売る側の事情であって、お客さんの視点には向けられていません。
現在のビジネスにおいては、競合する商品、サービスを販売している会社は多いですから、売る側の事情ばかりに気を取られていると、他社と同じような商品ばかりになります。
ここから一歩抜け出すためには、どれだけお客さんの声を取り入れた商品を扱うことができるか。そのお客さんも、専門知識を有する人なのか、初心者の意見を大事にするのかで売り方も変わります。
日本の起業では、販売する商品や開発している商品の専門家が起業するケースが多いです。この場合は、どれだけお客さんのニーズを聞くことができるか、そこの仕組みづくりを考える人が成功に近付いているのでは?
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「ビジネスチャンスは誰にも平等に訪れている。 気付くか見逃すかの違い」
カクテルパーティー効果って心理学の用語があります。大勢の人が一斉に話しているパーティーのような場所で、どんな話なのか内容は聴けないと思うけれど、人間の能力は意識した人の声は聴き分けることができます。ビジネスチャンスも、注意して耳を傾けている人だけには利益ももたらしてくれます。
