「これまでの常識がまったく通用しなくなった」 これまでもよく聞いた台詞ですが、50代以上の年代から最近もよく聞きます。わたし自身、常識が通用しないことをベースに常に文章を書いてきました。
多分、この状態が続くと学者や評論家、コンサルタントの人などは危機感を強めていると思います。ビジネスに関わっている人、これから起業をしようとしている人も、何を参考にするとよいのか悩んでいると思います。
マンション業者が次々に建設したマンションがまったく売れなくなると、金利負担が重くなり業者は破産するのが常識でした。現在は、それでも金融機関は業者に資金を貸し続けています。
完全雇用に近い今の日本は従来の経済常識に照らし合わせますと、労働者の賃金が上がるはずなのに、今は一向に上がりません。景気がいつまでも上昇しない原因もここにあると言われます。
常識がこれまで大手を振って通用してきたのは、既存の大手企業や団体の力が強かったからです。常識とは業界秩序を守るための仕組みですから、それが通用しないのは新規参入者にとって有利に働きます。
また、常識に沿って全てを処理しようとするなら、深く考え悩む必要などまったくなくなります。新しい試みをする会社や個人もいなくなり、業界の活気もどんどんなくなります。
常識が通用しなくなる時代は、新たな挑戦をしようとする人には決して悪い時代ではありません。わたしが最近感じるのは、現状を先入観なしに観察することのできる観察能力のある人の時代ではないかと思っています。
この流れは、アナログ社会からデジタル社会へと変換した時期と同じ軌道を描いています。モノやサービスの価値を決めるのは、生産者でも流通業者でもなく、商品を購入する個人に代わっています。
大量の個人の行動をキャッチするのがデータです。AIによるデータ処理は、従来の常識が変化していることを証明しています。同じように、個人の行動を観察する能力があると新たな流れを掴むことができますから、後はあなたの知恵とアイデアです。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「今の時代、夢を叶える人は年々増えています」
ただ、その夢を持続できる人は少数です。
デジタル時代になって、長年の夢とされることを実現する人は増えています。ビジネス世界で有名になる人も、ネットで大きな利益を上げる人も大勢います。ただ、その夢を10年、20年と長く持続できるかというと、一発芸人と同じように長く継続できる人は極端に少ないのが現実です。長く続ける技術が必要な時代になっています。
