毎年、起業準備を始めたけれど上手くいかない人から話を聞いてデータ作りをしています。実際に起業をしたわけではないので損失を出したわけではないですが、自分で自分に起業は不向きのレッテルを貼ることになった人たち。
今年21人中16人は、起業準備の段階で起業するための本を買ったり、ネットで起業の進め方を調べたりを始めています。中には、直ぐに起業の業種探しに着手した人までいました。
これまで長く起業に関わってきた人間から見ますと、初めてサッカーをしようとする人が、いきなりサッカーボールを買ってきてゴールキックの練習をする光景に似ています。多分傍から見ている人から、いきなりボールはないでしょうと突っ込みを入れたくなるシーンです。
既に体力のできている人なら別ですが、初めてサッカーチームの門をくぐった人なら、まずはランニングやストレッチをして安全のため筋力をつけることをコーチから言われるはず。これは、起業を目指す人にも同じことがいえます。
起業のための業種探しを始めるよりは、まず自分の頭の働き方をチェックする方が先。起業にとって必要な脳の働きを身に着けることは、サッカーにおける基礎体力をつけることと同じ効果が得られます。
起業に限らずビジネス全般に言えることですが、これから大きな課題に取り組むときは、まず自分なりの目標を設定することです。「毎日1時間は起業に取り組む」とか、「毎月2万円を資金として貯める」など。
目標の対象は何でもありです。まずは自分を自分でコントロールできるようにすることで、ビジネスでの基礎体力をつけることにもなります。また、自身で深く考えることも習慣化することができます。
怖いのは、せっかく目標を決めて取り組み始めたのに、何日かが経つと目標自体をすっかり忘れてしまうことです。これは人間誰もが抱える一晩寝るとすっかり忘れてしまう習性がなせる業のようです。
この忘れる業にも負けない自己コントロールを早い段階で身に付けてから、本格的な起業準備に取り掛かった方が間違いないです。急がば回れの格言通り、無形のあなたの資産になるはずです。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「早く成功した事業は不振に陥るのも早い」
ブームに乗って開業するビジネスが典型ですが、ブームに陰りが見えた途端に、事業も悪化してきます。事業知識の豊富な経営者がその展開を見込んで手をださないか、早仕舞いを考えます。経験のない人は大半が痛い目にあっています。世の中、そんなに都合よくはいきません。
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