兵庫県宝塚市は30代半ばから40代半ばの、就職氷河期と言われる世代限定で3人の正規職員を募集しました。この募集には全国から1816人の応募があったことを発表しています。
9月に実施した一次試験には、1635人が実際に入所試験に取り組みました。結局宝塚市は、優秀な成績だった4人の採用を決め、令和2年1月1日には晴れて市職員として仕事をすることになりました。
1974年から84年に生まれた人たちは「就職氷河期世代」と言われています。学校を卒業した時期が、90年代後半のアジア通貨危機や日本経済のバブル崩壊時期と重なるためです。
拓銀、長銀、日債銀、山一証券、三洋証券など、国内180近い金融機関が破産した時期。この大変な時期に、日本のマスコミは連日、銀行が破産した際の預金者への補償金額を幾らにするか、ペイオフばかり報道していた記憶があります。
この時期に多くの政治家や企業家は、再び好景気を起こせれば経済は好転すると信じていました。そのため、膨れ上がったバブルの不良債権処理をいつまでも先延ばしします。現在積みあがった千兆円を超える負債はこの時期から雪だるま状態。
結局好景気は起こらず、代わりに20年に渡るデフレ経済が現在の日本を覆っています。この最悪の時期に学校を卒業した人たちが、「就職氷河期世代」と呼ばれ、パチンコ会社に多数の学生が就職を求めた時代です。
その後の80年代後半から90年代に生まれた人たちが、ミレニアル世代として恵まれた就職活動をしているのとは天国と地獄の違いです。これまでも歴史の変換の中では、生まれた年代の運と不運とがついて回ります。
年齢を重ねたわたしが振り返って思うのは、生まれた時期からくる運は確かにあります。ただ、一生を均してみると、苦労も幸福も一人の人間としてはそれほど変わるものではありません。
大事なのは、自分が目標としていることにどれだけ真剣に取り組むことができるか。自分の満足する人生を生きていると、世代間の不公平感などほとんど考えることなく、自分の目標に集中することができます。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「簡単に解決できる課題よりも答えのでない課題が身につく」
人間の記憶力は、簡単な課題は直ぐに忘れてしまいますが、難解な悩みぬいた課題はいつまでも頭に残っています。また、答えられなくて恥をかいた時のこともいつまでも忘れません。この脳の仕組みを利用して、自分に欠けていることを上手く脳に残しておくことも能力アップのよい方法です。
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