長年、起業に関わっていますが、何故か共同経営の多くがほぼ3年程度で沈没します。上手くいっているときは、最高のパフォーマンスを見せるのですが、向かい風になるとからっきし弱い共同経営は何故なのか?
日本の共同経営は、弱小政党の合従連衡に似ていて簡単に壊れます。米国のスタートアップの場合、共同経営は多いですがこちらは起業慣れしているため、共同経営で起業することが基本です。
しかも「どんな業種で起業するよりも、誰と起業するか」を選ぶというほどに、人とのつながりを最重要視しています。それは、お互いに自分の長所と短所を補ってくれる、パートナーを探すことが起業の肝であることをよく認識しているためです。
現代の起業では小企業といえども、柱となるメインビジネスと同時に、IT技術が欠かせませんし、資金繰りや組織作りの担当者が必要です。能力重視の起業をするためには、複数による共同経営になります。
日本の共同経営の場合多くは、それまで勤めていた会社の上司と部下や、仲間内による組み合わせがほとんどです。新たな起業なのに、以前の人間関係をそのまま引きずって会社を立ち上げています。
良く言えば親密な仲間同士、悪く言えばナアナアでの会社作りで、制度設計も何も行なわず起業に走るケースをよくみかけます。一旦、売上げ減が続いたりすると、直ぐに責任のなすり合いが始まるわけです。
共同経営で失敗しないためには、1.起業する前の段階で、責任分担や給与を取り決めておくこと。2.仕事のコミュニケーションをよくして、第三者を交えて情報共有をしっかりすること。
3.仕事以外では仲間内の緊密な付き合いは止めること。これらは共同経営をする人にとって最低の必要条件。起業では、多様なメンバーの多い会社が有利なことは確か。最初の制度設計の段階から、成功に向け共通認識をもってスタートすることです。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「百人の人がいるなら、百人の歴史と百人の考え方がある」
多くの人の組織であっても、皆考えることは大体同じはずと考えるのは、古い一律の教育を受け人々の移動の少なかった時代の話。今は教育も住んでる人も変わり、百の違いから共通項を見出して起業に結び付ける時代です。共通項を探す技術も、起業においては大事な能力の一つです。
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