人の話を聞いていて、似たような傾向を持っている人の共通項に気づくことがあります。生まれ育った年代によって関心事の共通項であったり、住んでいる地域によって抱える共通項であったりします。
90年代後半の金融危機の時に起業した人たちには、厳しい経済環境の中で就職を守る強い意志の働いている人がいます。現在の失業率は2・4%(19年9月)なのに、2002年は5.4%だった時代です。
94年まで日本の完全失業率はとても長いこと2%台でした。労働組合の力が強いこともあって、日本の労働者の賃金は世界的に最も高い状態が長く続いてきました。
それが90年代後半は、賃金の高い低いよりも仕事の確保が優先され、それまでに経験のなかった雇用最優先される時代を迎えました。この時期以降、開業した会社は多くが低い賃金で従業員を雇う傾向があります。
90年代後半から日本で始まったデフレ経済の申し子ともいえる会社が多いです。その時代は、給与のことよりも就職できるかどうかが大きな問題になる時代でした。
それから20年近くが経って、時代が抱える問題は「働き方」や「やりがい」に移っているのに、いまだに従業員の低い賃金が会社の強みの一つとしている会社があります。
これは経営者の成功体験が低賃金だったため、他の経営手法に上書きされずに、安い賃金から方向転換をできないためです。外国人労働者の受け入れ問題にもこのような経営者の意向が働いています。
高い付加価値を作り出す経営に転換できない経営者が、いつまでもしがみつく日本経済が果たして幸せなのか。そろそろ新たな目的の経営者と入れ替わるタイミングにきているような気がします。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「金融機関が開業資金を貸す条件は返せるかどうかだけ」
初めて起業する人が資金を借りる場合、事業計画書の内容ばかりに神経を使います。資金を貸す条件として事業内容のチェックに重きを置くと考えますが、現実は返済能力がどのくらいあるかがポイントです。資金担当者が事業内容などの細かい点に気が回ることはありません。多くの人が勘違いをしますから注意が必要です。
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