今の経済の実態がとても読みづらくなっています。よく聞くのは、「仕事では不況になりつつあると思っていても、政府がよくいう徐々に回復する基調にある」を聞くと、大丈夫なのかとも思うといったもの。
実際、経済の先行指数と言われる株価は上がり続けていて、株式市場は大騒ぎする状態です。この空気感は、過って経験したバブル期終盤、1989年12月29日に3万8915円の最高値をつけた時に似ています。
この89年末から日本経済は、ダラダラダラダラと失われた30年に突入しています。現在もマイナス金利になっていますから、非常に実体経済が見えづらいです。
ただ、政府が歳出を増やし見せかけの好景気を演出していますが、個人消費にしても輸出にしても、これまでに比べ間違いなく景気は下降しています。2年前とは明らかに景気の風向きは変わりました。
景気の悪化が続くといっても、全てのビジネスが一斉に悪化しているわけではありません。人気のある商品やサービスは売れ続けていますし、生活必需品は変わらずに売れ続けています。
現状は、多くの人が先行き不安のため月々の支出を5000円切り詰めているような状態。総世帯数を5千4百万世帯としますと、1カ月の消費額が2700億円減少することになります。
不況期に入ったとして景気は決して一気に悪化することはありません。消費者心理が徐々に悪化し、あるポイントで株価が大幅に下落することにより不況色は一気に色濃くなっていくのが、これまで日本が経験した大不況の流れです。
経済の実態が読みづらくなっているなか、景気の動向を知ろうとするなら自分や家族、知人など周りの人々の消費者行動を注視してみてはいかがでしょう。個人的で確実な景気の予測が可能になります。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「価格の安さで市場を制すると安さで追われることに」
価格を安くすることで売上げを上げると単純に考える経営者は
多いです。確かに価格を引き下げたときは売れますが、長く売
れ続ける保証はありません。後発企業も価格を下げることを考
えますから、比較的短期間に売れ行きは止まります。値下げ戦
略は大手・中堅企業が考える発想で、中小企業は低価格販売に
陥ると寿命を縮めます。