12月も訪販に入り温かだった陽気が、次第に寒い日が続くようになりました。気象の世界では季節の変わり目というのでしょうが、経済や政治の世界にも変わり目はあり次第に環境が変わってきます。
2、3年前まで孫正義さんは、アリババや「ティックトック」のバイトダンスなど新興企業への投資で大きな利益を上げ、投資の神様扱いでした。この1年は、ウィーワークの失敗に見られるように地に堕ちています。
安倍内閣も色々批判はありますが、日経株価の上昇が支えになって高い支持率を誇っていました。それが日本経済の悪化に伴い、大臣の辞任や「桜を見る会」問題、果ては統合型リゾート推進の有力議員逮捕まで追い詰められています。
このような現象の背景にあるのは、日本の景気が徐々に悪化し始めているためと思います。好景気の歯車が逆回転を始めたことにより、不況色が濃くなってきて、これまでの追い風が向かい風に変化を起こしています。
個々の企業業績や財務省、日銀など景気悪化のデータよりも、宅配便取扱数のデータがショックでした。10月は前月比でマイナス6%、11月はマイナス5%と2月続けて下げています。
消費税増税や10月の営業日が前月より1日少ない事情はありますが、それを加味しても下げ幅は大きい。ネット販売の拡大により、今の流通業界では対応できないと危機が叫ばれていましたが、不況になると危機ではなくなります。
わたしの考えを話すと多くの経営者は「まだ日本経済は大丈夫」と反発する人がほとんどです。多分に、自社の事業を考え希望的な意見と思いますが、ここは客観的に冷静な判断をする時です。
今から早めに、不況になった時には何をすべきか考えるべきと考えます。景気循環は季節の変わり目同様に、あなたの都合などお構いなしに間違いなく好景気と不況とが交互に訪れます。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
落下しているナイフを掴もうとするな」
株式市場では、「下落している株を安くなったと思って慌てて買うな」の意味。ビジネスでは、不況が始まっているのに相場より安いと手を出すな。大事なのは、今の現状を冷静に判断できるかどうか。時には、不況と思ったのに景気が回復することもありますから、この判断は決してやさしくはありません。
