もし、飲食ビジネスに興味があったり、美味しい食べ物には目がないなら、一度自分の嗜好に関して振り返ってみてはどうだろう? 今、好物としている具体的商品や飲食店でいつごろから食べ始めたか。
できたらその前の好物や、前の前の好物を思い出してもらいたい。自分が好んで食べる好物は、それほど長い期間続いてはいないのではないだろうか。もし長期間続いているなら、あまり口にしていない頭の中だけの好物になってはいないか?
何故こんなことを言うかというと、現代人は食に関する情報が携帯を使うようになって、非常に多くなっていることに比例し、食べ物や料理の種類が格段に増えているためです。
「昨日、麺類を食べたので今日は和食にする」なんて会話をよく耳にします。特段のお金持ちではなくても、食べる食材の種類を色々変えることによって栄養価や食欲に変化をつけようと心がけています。
お客さんのこの変化、提供しているお店の側からしますと、お客さんの商品に対する飽きが格段に早くなっています。馴染みのお客さんの顔ぶれが、短期間で入れ替わるためにお店の経営は不安定になっています。
1年前までは、行列のできるお店として有名だったのに、今はガラガラと言った店舗が決して珍しくなくなりました。できるだけ長くお客さんを集め続けようとすると、PRの方法や食べ物の味覚にも変化が必要です。
ただ美味しければお客さんが集まる時代は、とっくの昔に終わっています。開業する前から、お客さんの変化を見越した事業展開を考えるしかありません。これは企業経営としては、相当高いレベルの思考が求められます。
飲食や食品販売ばかりでなく、似たような傾向は他のビジネスにも見られます。お客さんの飽きる気持ちと戦うよりも、最初から飽きることを見越した事業展開を、一度考えてみてはいかがでしょうか。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「こだわる気持ちと従う気持ちの切り替え」
事業においては、こだわることで成功している人がいるケースがあります。同業者が次々と廃業するなか、一人頑張って大きく成功している人がいます。反対に、他に先駆けて転業して成功する経営者もいます。どんな業種なら成功するかよりも、どんな展開が考えられるか、上部構造の考え方にポイントがありそうです。
