中国武漢で発生した新型肺炎ウィルスは、世界的流行に発展する可能性が高くなりました。マスクや体温計のメーカーは特需が発生したことで大変でしょうが、世界経済は人の移動が大幅に減少するため、大きなダメージを受けそうです。
ウィルスばかりでなく、人間社会での流行、ブームにはメリットとデメリットとが付きまといます。メリットは、言うまでもなく売れることです。これまでにも、もう見るのも嫌だというくらい流行で売れた商品は多数あります。
一方で、流行した商品は時間の経過と共に売れなくなります。いくら美味しい流行の食べ物でも、良品を獲り合っているうちは食べ続けていますが、次第に飽きてきてもう食べたくないという時期が来ます。
売り手は、生産設備や販売方法を整えいくらでも売れる体制を整えたころに、お客さんの方はもう飽きたということになります。そのため、流行した商品やサービスを扱った業界では、多くの企業倒産を起こすことにもなります。
息長く事業を継続している会社は、流行やブームとは無縁で事業を続けてきた会社ばかり。流行を追うリスクの大きな会社は、絶えず流行を追い続ける会社ということになります。
特に健康食品や菓子類などは、メディアが人気を煽りますから品不足になることがよくあります。以前は、そのたびに生産体制を増加して対応していましたが、最近は直ぐ発売停止にして流行が沈静化するのを待つ会社が増えています。
そこで、起業を目指す人の中には「今、売れている商品は何ですか」、「何が儲かりますか」など、内実を知らずに流行を追いかける人がいます。流行を後追いしているようでは、息の長い事業展開など無理です。
会社の目的は事業を継続すること。流行やブームには背を向け、お客さんを集め続けることです。ウィルスと同様に、急激に増えるモノは怖いと考えた方がよいのでは。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「会社規模は社長の器よりも大きくならない」
自分の会社を大きくすることに、人生を賭けている経営者は少なくありません。売上げを上げ、利益を上げることが会社を大きくすると信じています。ただ売上げをいくら上げても、社長の経営能力が規模に伴って高まらないことには、事業の破綻を早めるだけ。会社を大きくするのも、破綻を早めるのも経営者の能力次第です。
