最近、起業はしたけれど事業が上手くいっていない中高年の人の話をよく聞きます。事前に考えていた経営環境と、現実に開業してみて肌で感じる経営環境に、大きな違いを感じている人が多いとも言われます。
この違いの原因をあれこれ考えていますが、思い浮かぶのは「経営環境の変化の激しいとき、不安定なときは正確な現状分析をする」ことです。変化が激しいため、事前に考えていた経営環境とはまったく違うことなどよくあります。
思い込みの強い人、先入観を変えられない人ほど、変化の激しい時は対応することができなくなります。その典型と思われるのは、ペッパーフード・一瀬邦夫社長の「いきなりステーキ」が掲げた多店舗戦略における失敗です。
多分に、「俺のフレンチ」坂本孝社長の強い影響を受けたと思われる「いきなりステーキ」は開店後お客さんの強い支持もあって、出店目標を400店に設定出店ばかりに注力しました。
主にフランチャイズチェーン店に見られる特有の現象ですが、「鳥貴族」にしても「串カツ田中」にしても、店舗が一定数を超えると途端に好調だった売上げにブレーキがかかり危機に陥ります。
店舗数が増えるに従い、個々の店舗の密度が薄れるのかも知れません。お客さんの側に、あまりに成功している会社に対し嫉妬する気持ちが芽生えるのかも知れません。とくかく、状況に変化が生まれそれまでのような集客力がなくなります。
不確実性で、不安定で、複雑で、曖昧と言われる現代。この頼りない時代に失敗を最小限にするためには、現状認識をすることが大切であり、正確な現状認識が欠かせないことを付け加えてビジネスに取り組みましょう。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「会社は継続することが存在目的」
よく会社は、利益を上げることが目的と考えている経営者がいます。利益は会社にとって重要な要素ではありますが、犯罪を犯してまで利益を上げたとしても、そのために会社が倒産したなら何の意味もありません。あくまでも事業を継続し続けることで会社は人の役にたちます。
