昨年、政府は35歳位から45歳程度までと言われる就職氷河期の人たち、1700万人を対象にした仕事の支援プログラムを作成しました。この世代の人たちは非正規で就職している人も多く、少しでも正規雇用で安定した生活を送れるようにするが目的です。
もし、政府が雇用するにしても、自治体が職員を増やすにしても、企業が中途採用したとしても、何人が正規雇用になると思います? これまで散々人減らしをしてきた役所や会社が、もし増やすと言ってもその数は知れています。
兵庫県宝塚市が氷河期世代の3人を採用しようとしたとき、1次試験を受けた人は1635人。慌てて1人採用枠を増やしましたが、それでも約400倍の倍率です。募集しないよりはマシですが、焼け石に水の状態であることは確か。
それより注意しなければいけないのは、安倍政権は関心が集まりそうな課題なら、どんなことにも首を突っ込んで政府が何とかすると期待を持たせる手法。北朝鮮の拉致問題、デフレ脱却、北方領土、内需拡大、人口減少対策など全て未解決です。
そもそも就職氷河期世代が生まれることになる原因は、90年代後半にバブル崩壊後の不良債権の始末をいつまでもしなかった自民党政権の失政によるもの。当時の多くの学卒者たちに、不正規のカタチで就職する負の遺産を押し付けたためです。
今回、政府が立ち上がって不正規対策を実行したとしても、運よく合格できる人の数は知れています。5%の人たちが採用される側に回ったとして、残りの95%が置いてきぼりにされます。気分的に大きく落ち込むことにもなります。
そのため、政府の支援プログラムは都合よく利用させてもらう程度に考え、自分の力で60代、70代までの就業戦略を考える方が気が利いています。長い事生きてきたわたしに言わせると、他の人と同じプログラムで上手くいくことはありえません。
人とは違う戦略を考えるためには、少しでも多くの人と接して多くの情報を集めるべきです。最適な就職口を探すためには、多くの人と薄い付き合いを心がけることで運を呼び寄せる方が気が利いています。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「禍福は糾える縄の如し」
人間の一生は、良い事悪い事がないまぜの紐で編んだ縄のようなもの。決して悪いことばかりが続くことはないですし、良いことばかりも続かない。そのためビジネスにおいては、悪いことが続いているならそろそろ良いことが起こると思った方が。落ち込むことも舞い上がることも必要はありません。