現在進行中のコロナウイルス感染騒動での日本政府の対応を注視していて、企業のビックトラブル発生を思い出しました。準備不足で対応に遅れた社長は、どうしても苦し紛れに大向こうに受けそうな行動に走る傾向があります。
安倍首相が決断したと言われる公立学校の一斉休校は、その典型的な行動と言えそうです。側近の関係者にも事前の根回しをすることなく、いきなり首相の決断という宝刀を抜いてみせる行為です。
会社勤めをしている人なら多くの人が、会社内の混乱のときに似たような社長の決断で慌てたことがあるのでは? ワンマンな社長ほど、独りよがりの判断をするために回りの人間が迷惑を被ることになります。
中小企業の社内でのことでしたら、「社長が切れたよ」の一言程度で困る人間も少なくて済みます。これが一国の首相の判断ということになりますと、その影響によって派生する金額も動員される人の数も膨大なものになります。
昨年12月には既に中国で知られていた新型ウイルスの存在。中国大使館などを通じて日本政府でも情報は通じていたと思われます。普段から、国民の生命を守ることにことさら熱心な首相が、何故中国で感染者が大量発生しているのに、日本での事前対応を準備していなかったのか?
事業においても似たようなことが言えますが、経営者は事業を長く継続させるために、日ごろから最悪の事態を想定したデスカッションを行っておくべきです。事前に考えておく失敗前失敗診断を行って、最悪の事態に備えておくことです。
口で「国民の生命を守る」とか、「会社を守る」というのは簡単ですが、それではどう守るのかとなると答えのないリーダーは多いです。これからリーダーを目指す人には、コロナウイルス騒動はとっておきのケーススタディになりそうです。
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「組織のリーダーは、現場、現実、現物を直視し、
自分の犯した間違いを率直に認められる人」
過去のリーダーと現代のリーダーの違いは、失敗や間違いを認める度量の大きさにあります。現代は失敗の責任を問うのではなく、その原因と無くす方法を考えるのがリーダーの役目です。また、失敗分析をすることによって新たなビジネスの種を探すこともあります。
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