このところ世界的な株価下落が続いていて、国民心理も次第に不況感につながっているように思います。わたしはこれまで、リーマンショックとアジア通貨危機の2度の大不況を経験しました。
株式相場が大幅に下がるのは、投資家が将来的な株価上昇を見込めないため、今は一時的に円買いに移っていることが考えられます。日本経済の現状は、コロナウイルス感染を防止するため、ルーチンの取引を除いて新たな取引が止まったまま。
今後も、感染防止対策で人の移動や集まりを避けるなら経済は停滞し、経済を活発化しようとすると感染が止まらない、トレードオフの状態に陥っています。しかもウイルス感染に関して、今後どの程度広がるか誰も読めないのでは?
もし日本で封じ込めに成功したとしても、日本経済は多くの外国人をビジネスや観光で迎くことで成立していますから、今後の世界の広がり方を考えますと、一度収束した後に再度感染が広がる心配さえあります。
わたしが考える一番の心配は、アベノミクスを先頭切って金融緩和を進めてきた日本銀行の負の業績問題です。アベノミクスは、政府と日銀とが一体となり、ゼロ金利によって市場に大量の資金を供給することで好景気を演出してきました。
その結果、日銀はファンドのカタチで多額の株式投資をしています。株価が上昇している時、株式会社日本銀行は多額の含み益を出していました。これが一転して株価下落の局面になりますと、今度は債務超過に陥る可能性がでてきます。
今後日経平均が1万6千円を下回ると、為替相場で「円」の暴落を誘き、輸入物価の暴騰が現実となって国民生活は混乱する恐れがあります。どこの国でもこの危険を避けるため、財政規律を守り中央銀行が過度に政権と癒着することを禁止しています。
「円」相場の大幅下落と同時に、これまで先送りを重ねてきた日本の財政赤字問題も浮上することが考えられます。このような悪夢は起こって欲しくはないですが、大不況になりますと投資家は政府の弱点を突き、金融市場で苦し紛れで利益を上げようとします。
今の日本にとっての救いは、過去の大不況の時とは違って人手不足が続いていること。失業者が大量にでる事態は避けられそうなことです。失業者が少ないと購買力は温存できますから、経済の回復も思いのほか早くなるのではないでしょうか。
人間、ビジネス活動しているうちで大不況に遭遇することはそうそうありません。事業の持続性、多様性、信頼感などの重要度は、このような時にしっかりビジネスを注視することでよく見えてくるはずです。
不況に向けてご相談の方はこちらから
【昔から今に通ずるビジネス金言】
「苦境に陥った時こそ多くの情報を集めて判断を」
今後不況が深刻になりますと、思いもしない借金や事業の方向性で悩むことが多くなります。世の中の不況が深刻になればなるほど、これまでの経験で培った手法で解決策を見出すことが難しくなります。自分の能力や経験ばかりを頼りにしないで、他の人の意見にも耳を傾ける余裕が必要です。
人気ブログランキングへ