8年前に安倍内閣がスタートして以降、国民の間に資金で困ると「政府が何とかしてくれる」といった依存心が強くなっているのでは。コロナ騒動が起こってからも、観光地の経営者、小学生を抱える親、仕事の減った事業者など。
わたしも一瞬、政府の救済策はないものかと考えることがあります。今ではすっかり、助成金や補助金、金融支援に慣れてしまい大問題が起こると、自分の力で解決を考えるよりも先に政府の資金手当を頼る経営者が増えているようです。
現在のコロナ騒動対策でもそうですが、そんなに政府の救済策を頼りにして本当に大丈夫なのでしょうか。今から11年前、国の財政再建を目指すとした民主党政権が生まれた時と、財政環境は変わったのでしょうか?
日銀による強力な金融緩和が実施され、一時デフレから抜け出せたかと思われた時はありました。ただご承知のように、2%の物価上昇は口先だけに終わり、国の借金は間違いなく年々積み重なっています。
安倍首相は財政を再建する気はまったくなく、2022年以降に先送りして、それまでは特別会計の資金流入で豊かな国を演じるつもりのようです。実際、これほど災害復旧や医療関連に費用が増え続けますと予算を組めない事態が現実になります。
そんな日本の財政を見透かすように、世界のエコノミストたちは「灰色のサイ」出現を口にするようになりました。これまでは、誰も事前に予測できないことが起こる「黒い白鳥」の出現が世界経済の恐怖の的でした。
一方「灰色のサイ」は、発生確率が高いのに見逃したり、見て見ないふりをすることにより起こる現象です。日本の財政危機などはその最たるもの。誰もが危ない水域にあるのは知っていながら、何とかなると神頼みしている大問題です。
コロナ騒動では、これまでにも増して政府は気前よく資金をばら撒いています。後年、現在の政治状況を振り返った時、あの知恵も策もないばら撒き政治なら誰が首相になっても大丈夫と思うのでは。
この先のことを考えるなら、この安易な今の風潮に流されずに、自分流のやり方で事業や会社勤めをしていくしかないです。後日、安倍首相に騙されたなんて泣きごとを言わないためにも。
【ひと言】
日本の来年度予算は102兆円にも膨らんでいます。ところが、日本に似た規模のドイツの来年予算は、過去最大の3620億ユーロ(約43兆円弱)です。日本の半分以下の金額。7年連続で借金ゼロの予算を組んでいますから、日本のように3分の1にも達する国債費がないためです。政治家の力量でしょうか、国民性の違いでしょうか。