今は、ビジネスに関わっている人なら誰もが、これからの経済展開を知りたいと思うのでしょうが、正確な予測のできる人などいません。ただ、これまでの大不況や感染被害などをヒントに、今後発生しそうな自分の問題を探すことは可能です。
一口に大不況と言っても。発生プロセスを分析することによって分類分けをすることはできます。不況にも、需要サイドの不足によって発生する不況と供給サイドが原因になる場合と二つの原因に分けることができます。
08年に起きたリーマンショックの場合、米国金融機関による返済能力の低い層に住宅ローンを貸し付けたプライムローンが原因でした。その結果、銀行からの融資が世界規模で滞ったことにより、需要不足が発生したことが原因です。
一方1973年のオイルショックは、産油国が原油輸出を世界規模で低下させたため、大規模なモノ不足が起こりました。お金があっても市場に商品が出回らないことが、大不況発生の原因になりました。
今回の場合、新型コロナウイルスの発生により各国政府は国民の外出を規制しているため、円滑な消費行動ができないことから不況が発生しています。企業の売上げが急速に減少し、国民不安と収入減が起き購買力の減少によって不況になると考えられます。
世界的にコロナウイルス感染が収まらないことには、活発な消費行動を期待できないことは確か。ただ、大都市圏の人の行動は大幅に制約されていますが、地方都市ではこれまでとあまり変わらない売上げの会社はけっこうあるようです。
あまりに東京圏、関西圏、中部圏に人口が集中し過ぎたためで、今後は問題になりそうです。また業種によって、コロナウイルス感染の影響をほとんど受けない事業をしている会社もあって、今後は考える余地がありそう。
わたしが個人的に心配しているのは、日本政府が緊急経済対策として数十兆円の対策費を考えていることです。現在のような事態では国民生活を守るため、大規模な財政支出はしかたないのでしょうが、節度をもった支出をしないと膨大な国債費により予算が組めなくなるが今後の心配です。
また21年になると、中国で膨大が金額の社債償還が待ち受けていることもあります。一説によると数百兆円以上とも言われるシャドウバンキングが清算を迫られる事態も起きます。新型コロナに次いで、再び中国が世界を揺るがすことが起こりそうです。
【ひと言】
今回の、コロナ感染対策と不況到来の問題を出すまでもなく、2000年以降に発生する経済問題は単純な問題はほとんどなく、複数の問題が絡み合って複雑化しています。このような時は、できるだけ単純化して自分で考える習慣をつけるしかないです。最初は難しく思っても、訓練を重ねることにより、誰もがそれなりに理解できるようになってきます。