政府が異常事態宣言を発してから、われわれは世界史に残る異常時の真っ只中で暮らしています。とても多くの人が家に籠り不安を感じながら毎日を過ごしていますから、今後大きく変革されるビジネスも多いはずです。
日本経済新聞を読んでいたらこんな記事が載っていました。例年4月に10万人以上を集め開催されていた時計と宝飾品の見本市「バーゼルワールド」が、今年はコロナ騒動のため来年以降に延期されることになりました。
最近は、世界的イベントが相次いで中止や順延を決めていますから、ここまではよくある話です。問題は、順延スケジュールを巡り主催会社とロレックスやLVMHなど主要ブランドとが対立、来年以降は別の主催者と見本市を開催するようです。
参加ブランド企業には以前から、出展料の高騰に不満が募っていたようです。年々参加人数と出展企業が増えるに従い、1階メインスペースに展示するブランドは、数億円の出展料を取られて不満が貯まっていたようです。
リーマンショック後から始まった好景気により、業界によっては天井知らずの価格高騰が続く商品やサービスがあります。米国ニューヨークやロサンゼルスなどでは、大勢のホームレスが生まれるほどアパートの家賃が高騰していました。
わが国でも、金融緩和を追い風に都心のマンションや住宅価格は上昇が続いています。今回、コロナウイルス感染拡大に伴いテレワークによる就業が可能になったことで、都心の狭い住居よりも緑に囲まれた広い住まいが魅力的になります。
企業は交通費を大幅に削減できますから、その分を給与に振り向けることができます。バーゼルの見本市と同様に、高くなり過ぎた価格をどこかでリセットする力が、コロナ騒動を契機に起こると睨んでいます。
リーマンショックが起こった08年には、絶対つぶれないとされた大手銀行が倒産や買収に遭い、4大証券の一角もなくなりました。この世の中には、永遠に不滅といわれるモノなどありません。
これは出展料や住宅価格に留まらず、日ごろ利用者が不満に思っている料金体系や仕組みにリセットのチカラは働くはずです。あなたの身の回りにもこのチカラはきっと働いているはずです。
【ひと言】
今、繁華街やオフィス街を歩くと気づきますが、シャッターを下ろしている商店や会社の中に、廃業した会社が少なくありません。今後は倒産する会社も加わりますから、国内の企業数は相当減ってきます。開業するタイミングさえ間違わなければ、新たな起業にとってこれからはチャンスです。このチャンスを生かせるかどうか、考える価値はあります。