世界各国のコロナ感染者数ランキングを見ていて気付いたことがあります。感染者数が多い順の30カ国順位を見て、地理的に感染を防ぎやすいとされている島国がやはり極端に少ないことです。
英国は16万人と5位で最も高く、次いでシンガポールが1万4千人で26位、日本は1万3千人で29位と3カ国だけ。ただシンガポールは、死者数が14人と世界で最も少なくコロナを制御した国の1国です。
台湾、アイスランド、インドネシア、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、香港など、島国のほとんどが対応に成功しています。韓国も国境を閉ざしていて、成功した一国として賞賛されています。
英国のジョンソン首相は米国のトランプ大統領と同様に、新型ウイルスの感染が始まった当初、危機感がまったくなく失敗した代表格。日本の安倍首相も、同じようにコロナ対策で2つの大きな失敗を犯した指導者の一人です。
一つは、中国での新型コロナ発生から、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での集団発生まで、1月以上の時間があったにもかかわらず、東京五輪開催ばかりに気を取られ危機感を持たなかったこと。
この首相は日ごろから難しい問題に直面すると、解決には「この道しかない」と1点だけに絞って考える習慣があります。一点に集中した思い込みの強い人は、問題が複雑になったときに事態に対応できません。
二つ目は、コロナ対策への取り組みが遅れたことから、重要課題を考えるに必要な戦略的取り組みをしなかったこと。元来、財政問題には近づかないことで安定政権を維持してきた人ですから、多額の財政出動を迫られる感染症対策には逃げ腰でした。
そのため、早く決断し大目の予算を組んでウイルス対策をすることで早期解決が可能と言われるのに、時間を浪費したために費用が膨らみました。専門家グループに危機管理の専門家を置かなかったことも傷口を広げる原因になりました。
企業経営においても、会社の存続に関わる問題に直面することはよくあります。企業の場合、一発の大きな問題解決に失敗すると、その時点で会社が生き残ることは難しくなります。
起業する前から、複雑な問題に対しても深く考え解決策を導き出す訓練は必要です。常に知恵を絞りだすことによって問題解決を探り出す、そんな習慣を身に付けておくべきと思います。
【ひと言】
もし、新型コロナウイルス感染の収束が見えてきても、わが国は多額の赤字国債を減らしていく算段を考える必要が直ぐに迫ってきます。過って、英国は同じような財政問題を抱えていて、その後にポンド危機に見舞われました。今の首相と財務大臣のコンビならばどうするのか、怖いもの見たさで見て見たい気持ちもチラッとあります。
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