石油の先物取引価格が、マイナスとなって世界中をビックリさせています。先物の石油販売では料金を取らず、反対にお金をつけて売ってくれるという話。原油生産は急には止められないため、貯蔵に困ってお金をやるから引き取ってという話です。
不況に陥っている時は、景気のよい時と発想を180度変えて考えないと、大きな失敗を犯すことになります。現在、休業か営業かで多くの話題を集める飲食店の場合も、石油取引に似た環境にあるようです。
コロナ危機が始まって以降、飲食店での食事や飲酒を止めている人は大勢いると思います。人間、外食を習慣にしている時は毎日でも飲食店を利用しますが、まったく行かなくなると今度はそれが習慣化してしまいます。
今、巷間囁かれているのが飲食店の大量の閉店です。もしコロナ危機が収束したとしても、インバウンドによる外国人観光客や、国内の飲食店利用者は相当数減少すると予測されています。
これは日本だけに限った話ではありません。世界的現象として、海外旅行をする観光客数が危険を察知して旅行に出かけることを控えます。国内においても、飲食店を利用する習慣が薄れると考えられています。
世界的な高給取りの代表格だった飛行機パイロットが失業して、飛行機から降りる判断を迫られる時代が来ています。当然、観光客相手に開業している飲食店の中で生き残るお店は限られてきます。
この飲食店にとって不安定な時代に入って、新参の起業家が開業するのはリスクが大き過ぎます。余程勝算の見込める飲食店開業でなかったら、飲食に関連するビジネスの開業は控えた方が賢明です。
【ひと言】
日本ではあまり試算はされていないようですが、米国では現在の景気が19年末の水準に戻るまでには今後4年はかかるとされています。日本では、緊急事態終了後にそんなに時間をかけずに元に戻るように思われています。実際は、立て直しに時間がかかることを覚悟する必要がありそうです。開業してからも、同様に時間はかかります。