今から12年前の08年、リーマンショックの大不況をきっかけに米国で起業したのが、旅行者向け部家貸しのair bnb やライドシェアの Uber です。米国で失業した中流家庭向けに、ビジネスを提供することが目的でした。
現在、これらの新興ビジネスがコロナショックでは苦境に立たされています。リーマンでは銀行経営の破綻が不況のきっかけでしたが、コロナでは感染症による病気の伝染がキッカケだったため、同じ不況でも生き残り策が違っていました。
一口に不況と言っても、その原因はバラバラで対応策はよく考える必要があります。わたしは再度、銀行の取り付け騒ぎが起こることをイメージしていましたから間違いでした。バタバタと倒れると思っていた地銀は今のところまだ元気です。
わたしがもう一つ予測していた、コロナの感染症が収束したとしても、その後に需要不足からくる大型の経済不況に関してはこれからの問題です。コロナ危機が収束するだけで万々歳というわけにはいかないと思っています。
リーマンから10年程度が過ぎた時期に、これまで主要各国が市場に投入した膨大な資金の一部がバブル化し、経済を破綻させる流れは過去に2度経験しています。アジア通貨危機やリーマンショックを経て、経済関係者はほとんどの人が警戒していたことです。
18年以降、このバブル崩壊を各国財政当局が警戒している最中に、全く考えてもいなかったコロナウイルスの感染爆発が発生して崩壊が始まりました。今後は、コロナが収束して直ぐ需要が伸びずに不況が到来するのか。
それとも、各国中央銀行やIMFの資金投入が効果を発揮し、不況到来を抑え込めるのか微妙なところです。特に日本の場合、過度な国の借金を抱えていますから、どのような現象が起こるのか予測不能です。
過去の経験では、これほど膨大な借金をした先進国はないと思いますし、国債のマイナス金利がこんなに常態化したこともありません。何もかにもが初めての経験で、何が起こってもおかしくないのが今の日本と世界の経済です。
この中でどう生きていくのか、誰もが頭を抱えているのではないでしょうか。一つはっきりしていることは、この不安定で、複雑で、予測不能なタイミングの中で、起業するのは無茶であることは確かです。
【ひと言】
起業の時、商品やサービスのマーケティングばかりに注視する人は多いです。確かに目先の売上げにとってマーケティングが重要です。ただ、ソフトバンク・孫正義会長でもどうにもならないのは経済の大局です。不況期に入っている中で、需要が弱っているのに大幅な売上増は難しいです。起業で失敗しないためには、マーケティングと同時に経済の大局にも目を向けるべきです。