緊急事態が解除され、今は新型コロナウイルスに対する気の緩みを注意するメッセージ一色です。気の緩みを心配するのは新型コロナだけでいいのでしょうか。国民に給付金10万円が振り込まれ、経済に対する気の緩みはありませんか。
今、わたしが心配しているのは、やっと営業を再開したはいいけれど、予想したほど売上げの伸びない会社が続出するケースです。個人の給付金や中小企業向け支援金で何となく息の付けた経営者が、ビジネスに気の緩みがでてくるのでは。
消費者心理を考えますと、緊急事態の間に消費活動を停止したり、巣ごもり中は代替品で満足した人が、簡単に以前の消費に戻ることができるかどうか。多分、以前利用していた店や商品をすっかり忘れている人も多いはずです。
日本経済全体の消費でいいますと、昨年後半から既に不況ははじまっていて、日銀の統計にもデータとして表れていました。19年10~12月期GDPは実質年率換算でマイナス-7.1%、20年1-3月期マイナス3.6%(速報値)。
今年の4-6月期はマイナス20%以上とも予測されています。新型コロナウイルスによる世界的拡散はまったく予定外でしたが、大型不況が世界規模で広がることはある程度予測されていました。
ですから、新型コロナに対する気の緩み以上に、経済への気の緩みが怖いのです。何度も手を洗う、他人と距離を取って話す、マスクをするは知っていても、大型不況に対する対策となると誰もが戸惑うばかり。
この時期、新たな投資をすることは危険です。転職や起業も、経済が落ち着いて安定するまでは避けた方がよいです。ビジネスでも私生活でも、無駄な支出は止めるべきなんて考えていますが、みなさんも真剣に考えてみては。
【ひと言】
緊急事態宣言解除で安倍首相が、「先般の補正予算と合わせ、事業規模は200兆円を超える、世界最大の対策で100年に1度の危機から日本経済を守り抜く」と発言しています。ソフトバンクの孫正義さんをみても分かるように、景気が下降の時はどんなに投資をしても経済は縮小するばかり。これまで、多額の投資によって下降する経済から抜け出した国はあるのですかね。あくまでも下降が治まってからではないでしょうか。