「廃業や倒産が増えているこの時期に、開業するってアイデアはどうですか」 このようなメールを貰うことが多くなりました。会社勤めを続けながら、開業準備に精をだしている人からです。
企業経営者の高齢化が進んでいますし、コロナショックで開店休業状態が長引き、資金的に継続することが難しい会社は少なくないです。目指す事業の同業者が廃業するなら、このタイミングで開業するのも起業の一つの方法としてありです。
ただ考えないといけないのは、果たして現在の経済状態が景気の底に達しているかどうかです。慌てて開業したとして、今後景気が一段と悪化するなら、現在開業している事業経営者と同じ道を歩むことにもなります。
「落下してるナイフは掴むな」の教訓がありますが、まさにナイフを素手で掴むような行為です。今の時期はまだ景気が安定していなくて、政府によるコロナ対策資金をばら撒く計画に踊らされている面があります。
現状の景気の良し悪しを知るには、多くの人が株式相場の動きを参考にして判断します。ただ株価には将来予測が多く入り込んでいて、目先の良し悪しに大きく振れる、当たるも八卦当たらぬも八卦の要素が混じっています。
この開業アイデア自体も一時の思い付き要素が強く、アイデアには欠くことのできない事前調査が欠落しています。もし本気で開業を考えるなら、わたしへのメールよりも実際に現場に足を運び、データを調べることが大事と思います。
コロナ後の消費動向を考え合わせながら、この先に起業チャンスが訪れることは確か。今からどんどんアイデアを出しながら、来るチャンスの時には起業実現を果たしてもらいたいものです。
【ひと言】
4月まで、国民や企業にお金を配ることに慎重だった政府が、10万円の給付金支給を決めてから、急にばら撒き政策に転換しました。今では、タガが外れたような大盤振る舞いに変身しています。予備費10兆円なんて自分にご褒美まで用意する始末。この間、何が政府で起こったのか、誰が何故この転換を決めたのか、国民としては知りたいところです。同時に、この赤字国債の返済はどうするのか、教えてもらいたい。