中高年の人にとって、当たり前と思っている終身雇用はコロナショックを契機に、ますます難しくなりそうです。コロナショックで大きな欠損を出した会社は、業績挽回のため新たな技術導入を計画して、その担当者に若手社員を積極登用する考えのためです。
現在企業経営者は、コロナショック後の消費行動の変化に、とても神経を使っています。これまでは当たり前に消費して貰っていた商品が、緊急事態宣言をキッカケに購入が難しくなり、そのまま消費離れにつながる事態を最も恐れているからです。
これまではAI導入による新たな商品開発ばかりに目を向けていましたが、現在は次の段階のDX(デジタル・トランスフォーメーション)へ関心は移っています。これまでの経験でも中堅・大手の体制変化は、川下の中小企業の大きな変化につながります。
振り返りますと、阪神大震災の被害を受け企業はパソコン導入を本格化させました。金融危機でも、リーマンショックにおいても、企業はリスクヘッジと利益を高めるため、クラウド導入や分散管理、ブロックチェーンなど、社員の能力に合わせることなく導入が続いています。
そう考えますと、先端技術についていけなくなった中高年は、会社に勤めている間に次の自分が進むべき道を考える時期です。中高年社員の能力を置き去りにして、会社は次々と大きな利益につながる技術導入を続けるからです。
今後、日本人の健康寿命がますます延びてきますと、自分で50代、60代以降の仕事探しをする必要性が厭でも生まれてきます。金銭的な必要性もありますが、同時に自分の生き方の問題としてです。
コロナショックをきっかけにして、自分は何のために生まれてきたのか、自分の人生を考えるうえで在宅勤務はよい機会でした。昔から興味のある仕事に就く、自分の出身地に帰って地元のために尽くすなど、会社ではなく自分本位に考える時期です。
住んでいる地域で自分の技能を買ってくれる人の役に立つことを考える人もいます。時間的に準備期間が取れるなら、退職後の新たな挑戦も決して難しい課題ではありません。
【ひと言】
企業は、一方では人材不足が深刻で日本人ばかりでなく外国人や、中途採用に力を入れています。他方、従業員が40代を超えるころからは早く辞めてもらう算段ばかりが目につきます。結局は、文句も言わずに安月給で働く人材が欲しいのであって、決して自分の能力が必要ではないと、気づくことが従業員には必要な気がします。自分を守るのは自分だけですから、早く次の人生設計を考えることも大事です。