一度でも起業経験のある人なら、目指す事業への参入障壁の高い低いに関しては人一倍神経を使うはず。誰でも開業できる事業の怖さは、経験で身に染みて感じていると思います。
よく、「わたしでも楽に開業できる業種はありませんか」と言った相談をもらいますが、起業経験のない人の怖いモノ知らずともいえる相談です。多分コロナが流行る前なら、ネットビジネスや民泊が誰でも参入できる事業の代表例のはず。
誰にでも参入できるということはそれだけ事業者が多く、業界の競争も激しい世界のはず。一時は人気を集めても、半年もすると後続企業にお客さんを奪われるような過酷な業界のことです。
ネットショップではよく聞く話ですが、一人で開業して一月の売り上げが100万円を超える販売していても、半年後に同じ商品で月5万円だけなんてことが当たり前に起こる事業のことです。
そのため開業する前には、参入を目指す市場での「既存の事業者」、「お客さんとの力関係」、「仕入先との力関係」、「代替品の存在」、「新規参入者の可能性」の5つの力を調べておくことです。
この調査方法は、これから開業しようとする業界の収益率を事前調査しようとするもの。もし事前予測の収益率が低い業界であっても、あなたが扱う商品やサービスの特異性によっては勝算が生まれることもあります。
逆に、参入障壁の高い業界を目指そうとして、現実には開業ができないケースもありますから注意が必要です。訪問看護で起業しようとして、柱となる看護士さんが見つからないケースなどよく聞きます。
初めて起業する人の場合、楽に開業できる業種を選ぶことは、地獄の入口に突き進むようなもの。楽なことは考えず、自分にしかできないフィールドに時間をかけて探し、参入障壁を意識しながら開業につなげてはどうでしょうか。
【ひと言】
起業においても、新規事業でも、参入する業種探しは難しい問題です。その上にコロナ危機が発生したことで、ますます難しくなっています。昨年までは人気の業種であっても、コロナ発生を契機に人気の廃れるケースもでてくるからです。今はリスクが高いでの、急いで判断するのは止めた方がよさそうです。