JR東海が建設を進めているリニア中央新幹線は、計画していた27年の開業が難しくなってきました。まだ着手できていない静岡工区での建設が地元静岡県から理解が得られず、この区間の建設が延び延びになっているためです。
リニア新幹線は静岡県で大井川の地下を通りますが、川の流量減少を静岡県が危惧しています。この川の水を利用して流域に暮らす数十万人が暮らしていますが、リニア開通に伴う工事により、生活用水や農業用、工業向けなど影響がでる可能性があります。
今回6月26日には静岡県庁で、知事とJR東海社長との差しの話し合いが、報道陣の立ち合いのもとで行われました。この席ではっきりしたのは、JR東海側が工事により発生の可能性がある水被害に関し、ほとんど対策を考えていないこと。
世界中どこでも、水を巡る争いはそこに住む住民の生命に関わる問題ですから、最悪の場合には戦争まで発展するほど切実な問題です。政府が3兆円投資するほど大きなプロジェクトであっても、建設にあたって住民の安全は第一に考えるべき。
世界の投資の潮流は、環境と社会とガバナンスとを重視するESGの時代に入っています。今は、飛行機が排出するCO2は環境破壊につながるとして、短い距離の飛行は取り止める会社がでる時代です。
しかも新型コロナウイルス拡大が発生して、大量に高速で人を運ぶことが本当に必要なのか問われる時代でもあります。多くの犠牲を払ってリニア新幹線を建設しても、本当に多くのお客さんが継続的に乗ってくれるのか、疑問符の付く時代になりそうです。
【ひと言】
100年に一度と言われる新型コロナウイルスが世界に拡散したことで、われわれの生活習慣や仕事のスタイルも変わる可能性があります。今は、仕事にしろレジャーにしろ、早く目的地に着くことが大事とされますが、10年後20年後は急ぐことはネットを介した5G面談が主流で、レジャーはのんびり旅行が中心なんてこともありそうです。
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