今後、10年後、20年後に現在の日本の現状を振り返った時、誰もがマスクをして人と人とが距離を置いて接している光景は、多分異様な光景として映るものと思われます。
できるだけ人と人とが話をしない、接触することを禁止する社会は不自然です。ただ新型コロナウイルスの強力な感染力を考えると、簡単にはコロナ禍前の状態に戻るとも思えません。
そのため最近囁かれているのは、会社での社縁や地域の地縁のつながりは今後薄くなるだろうということ。逆に家族や血縁のつながりは、今後ますます強くなるだろうということです。
仕事の進め方ひとつとっても、これまでの日本企業特有の阿吽(あうん)の呼吸に頼った業務は、上手くいかないことが多くなりそう。従来の暗黙知は次第に肩身が狭くなり、言葉で説明する形式知を多用せざるを得なくなります。
社内での人間関係の希薄によって現在の仕事の進め方を変えてしまうと思います。ただ、職場での女性従業員の増加や将来的な外国人従業員の採用を考えると、これは今日本企業が抱える問題の解決になりそうです。
仕事の進め方でいうなら、これまでの営業活動では花形とされた、夜の接待による営業は今後すっかり利用機会が減ります。サラリーマンは誰もが、ますます家庭内での生活にウェートが高まります。
マクロの目で人のつながりを見ますと、これまで飲食店を利用する機会の多かった社縁や地縁とのつながりは、家族や血縁にとって代わられると考えるのが自然です。外食から内食への流れはますます強くなります。
これは飲食業ばかりに関係する話ではなく、外出時に着る衣料にも関係しますし、装飾品にも関わってきます。想像以上に社会生活には大きな影響のある、パラダイムシフトにも関わる課題と考えます。
【ひと言】
東日本大震災の発生後、親族とのつながりが強固になると同時に、夫婦や親子のつながり方を考える女性作家の本が多数出版されました。また、親族間の犯罪の多さも話題になりました。家族で行動することは一見ほほえましい光景ですが、一方で親族間における凶悪な事件が増えることも確かです。パラダイムシフトは新たなビジネスにも、問題にもかかわってきます。
人気ブログランキングへ