東京・六本木の人気店舗だった「豚組 しゃぶ庵」が、10月31日をもって閉店することを決めました。周辺企業が接待や社内イベントで利用するのに最適な、100席の大型店舗で繁盛店という言葉がぴったりするお店でした。
開業から13年、ちょうど油の乗り切った時期なのにコロナ禍の影響によって閉店です。ムリをして営業継続を試みるならできないことはないと思いますが、しゃぶ庵経営者は早い時点で閉店を選択しました。
今後は、「豚組 しゃぶ庵」のブランドを生かし、食材の通信販売による事業継続を図るようです。従来の飲食店経営の発想からしますと、都内でも有数の人気スポット六本木の繁盛店を閉じるのは、惜しい気がします。
ただ、現在いくら活躍している経営者であっても、感染症の大流行を生き延びた経験をもつ経営者はいないはず。誰もがぼんやりとしたイメージとして、この先ある程度日が経ったら、以前の状態に戻るイメージを抱いていると思います。
どうも、ここに多くの経営者が失敗する落とし穴があるような気がします。新型コロナ大流行によって、過っての日常が数カ月に渡って停止されますと、人の頭の中ではリセットされ以前は繁盛店であっても、開業当初のただの店に戻ってしまう気がします。
特に3密を避ける習慣が身についてしまったお客さんは、容易に大型店舗やイベント会場には足を向けなくなる、お客さん側の心理的影響も関係します。集客を行う店側の論理ばかりが問題ではありません。
経営者はコロナ後の店舗経営にあたり、下手にこれまでの経営経験を頼りにしないで、初めてコロナ後の経営するつもりで取り組む必要があるのでは。過去の経験が足を引っ張り、新たな展開の時は新旧経営者の交代時期になります。
【ひと言】
コロナ禍を契機に、老舗店舗が閉店するニュースをよく聞くようになりました。変化の少ない平時は経営の安定している老舗店は強いですが、現在のように変化が激しくなると老舗は厳しいです。日本ばかりでなく、米国もEUでも歴史的店舗が閉店しています。この環境をよく見ておく必要があります。
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