日本を経営後進国というと驚く人が大勢います。世界第3位の経済大国ですし、トヨタ自動車やソニーといった世界企業を抱えていますから、経営に関しても世界トップクラスと思いたいところですが、レベルは相当低いです。
これは、経営学者入山章栄さんや野中郁次郎さんなどが言っています。日本経済がデフレに陥って以降、日本企業はいかに安く売るかが命題になってしまい、世界のいかに生産性を上げるかとは方向が反対になっているためと思われます。
そのため、最先端の経営学からは相当離れたレベルで日本の経営は実践されています。最近気になっているのは、販売営業(セールス)とマーケティングとはまったく別の概念として捉えられていること。
セールスは商品やサービスを売る方法を取り組んでいるのに対し、マーケティングは顧客が必要とするニーズを探すための手法。同じ販売する方法ではあっても、会社組織の中では違ったルートを使って考えますが、日本では販売の一手法としてマーケティングがあります。
また同じ販売でも、既に商品として確立している既存商品の新たなラインナップを販売するのと、まったく新しい商品を新市場で販売するのでは別の販売手法を確立する必要があります。10年位前から従来市場にはない商品の販売手法の研究が進んでいます。
「エフェクチュエーション(effectuation)」と呼ばれています。一度ネットで調べるとよいですが、市場がまだ確立していない新商品の計画段階から、成功者した人のインタビューを基にデータづくりをしています。
これまでは、既存商品と同じ方法で開発するものと考えていましたが、基本的にはまったく違ったプロセスを歩みます。新市場というと、第一に成功確率や収益予測を考えるのが常でした。
エフェクチュエーションでは、失敗した場合の損失が許容範囲かどうかを、第一に考える点が従来とまるで違います。不確実で複雑なコロナ後の経済で生きてゆくため、先端の経営学を知ることも大事です。
【ひと言】
これからの時代を生きてゆく人にとって、コロナ後の日本経済がこれまでと変わらないと考えるか、大きく変わると考えるか、その中間と考えるか大きな賭けです。あくまでも国民の生活習慣や毎日の暮らし向きではなく、日本経済がどうなるかです。ここが出発点と思っています。
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