事業を立ち上げるとき、一人だけの個人事業目的は別にして、複数のときにはチームワークが重要です。能力や技術が優秀なチームであっても、組織としてのまとまりが欠けるために自壊する会社は多くあります。
その点2012年に発足した安倍内閣は、強引な政策運営に問題がありましたが、政府を運営するチームとしては日本では珍しく成功した例です。その要因は、能力的には問題のあった安倍首相と管理能力の優れた菅長官との組み合わせの妙です。
12年まで、自民党と民主党の政権がほぼ1年刻みで政権交代をする政府が6年続きました。これら年替わり政権の失敗の原因は、首相を支える女房役が不在であったり、存在したとしても首相になる野望が強かったり、政権で泥を被る人がいなかったことです。
菅長官は、誰もが首相になれるチケットを持っている衆議院議員では、珍しく上昇することを考えないタイプの人。その人が今後は、首相となって日本を代表して神輿のてっぺんに乗ります。
ビジネスの世界では女房役をした人が、社長になることはほとんどありません。会社経営は民主的ではありませんし、国会と違い社長に任期もありませんから、女房役に徹しその後は社長と共に退任することになります。
菅長官は、禁じ手であるはずのトップに上り詰めます。長く続いた安倍政治で国民に知られては困る舞台裏を隠しておくには、菅長官に後処理を任せるのが一番安全と現在の政府首脳たちが考えたようです。
さて上手く隠せ遂せるのか、女房役の立ち振る舞いが裏目にでて、国民の顰蹙を買うことになるのか、コロナ禍のなか国民としては強引さが目立った安倍政治の最終章が始まることになります。
【ひと言】
政治とビジネスとはまったくの別物です。日本の政治は、あくまでも民主主義で多数の人が合意する意見で意思決定します。ビジネスではあくまでも、お客さんが支持してくれることが第一です。そのためには、社内では少数意見であっても、社長の意思によって採用されることはよくあります。この仕組みの違いを認識したうえで政治を見ると、ビジネスにも役立ちそうです。
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