次のわが国首相とされる菅義偉氏は、総裁選にあたり唐突に早急の「デジタル庁」創設を言い出しました。対立候補の一人岸田文雄氏も、「データ庁」の創設を公約しています。
国力向上のため生産性向上が大きな課題となっているわが国では、早急に政府が総力を上げデジタル化に取り組まないと、主要国から1周以上遅れているデジタル化に追いつくことはできません。
現在は学者もアナリストも政治家も、一時も早い日本社会のデジタル化の必要性を口にしています。10万円給付金におけるマイナンバーカード使用の悲惨な状況を考えると、早期のデジタル化は喫緊の課題です。
しかも現在必死のコロナ研究が行われているさ中、分析に必須のカルテの書式が各所バラバラの表記であることは分かってきました。大学病院や大手病院は、自前の病院流システムで入力を続けているようです。
一方、世界の趨勢からデジタル化は避けられないとの思いに対し、反対し続ける既存勢力があります。コロナ禍で浮き彫りになったのは、日本医師会によるオンライン診療への反対です。
新型コロナウイルスの感染を避けるため、医師も患者との接触は避けるべきなのに、医師会は最後まで反対し続けています。全国の診療所の中には、ネット利用やIT環境を嫌う中高年の医師が少なくありません。
また、国会議員の中にもデジタル化に反対する勢力がいます。パソコンを触ったことのないIT担当大臣さえいるわが国ですから、これは決して国会においてはおかしいことではないです。
ただ今のわが国の現状は、そんな個人的我がままを聞いている余裕はなくなっています。デジタル化にすることで、オンラインは紙代がかからなくなります。一度アップした情報は、二度アップする必要がありません。複雑な手続きも一度だけで解決します。
これまで、2000年代に入ってから何度も全面デジタル化の必要性が叫ばれてきました。その度に、パーツパーツの取り組みはなされましたが、国や自治体の仕組みは中途半端のままで終わっています。
気をつけなくてはいけないのは、デジタル化が進むことによって、既存のスキルは必要なくなると思った方がよいです。また、会社内での個人的な価値は、デジタル化に合わせ小さくなることは覚悟しておいた方がよいです。
そのうえで、起業や現在の仕事の中でデジタル化を自分なりにいかに生かすか、考える時期にきています。こればかりは抵抗することを考えるより、自分の能力を高めることを考える方が役に立ちます。
【ひと言】
安倍首相は、規制改革で「あらゆる岩盤規制をうち破る」と大見えを切りましたが、結局ほとんど成果を上げることができませんでした。日本医師会、弁護士会、経営者団体連合会、電気事業連合会など、圧力団体は手中にある利権を話しません。ただ、これらよく知られた団体以上に、自由民主党や官僚組織には大変な既得権があることも問題にしないといけません。
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