ここでも何度か書きましたが、わたしは古くから2020年東京オリンピック開催に反対です。長い目で日本社会の成長を考えますと、東京への一極集中が止まらないなか、オリンピック開催はますます集中の度合いを高めます。
開催するなら大阪や名古屋で開催することで、全国の人口バランスは保立てると考えていました。ところが新型コロナウイルス流行により、東京への一極集中の流れにブレーキがかかる気配が出始めました。
総務省の2020年7月の住民基本台帳人口移動報告によりますと、13年から新たな調査方法になってから初めて、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の人口は他県からの転入者よりも転出者が1459人増える逆転現象が起きました。
北海道、大阪府、福岡県、茨城県、沖縄県、熊本県、青森県などで転入者が目立って増え始めています。また、この報告によると20代、30代の若者が6割に達するほど、高い転出比率を占めています。
以前と違い、現在はテレワークによって仕事をすることができますから、この環境の変化が大きく影響しています。また地方は、住居の入手が楽なうえに物価も安いですから、転入よりも東京圏からの転出の方が格段に移りやすいです。
今は、人の移動がコロナ禍によりまだ制約されています。ある程度自由になったとき、今の動きが加速するのか反対に以前に戻るのか興味深いです。ビジネスは、人の動きを反映して繁盛したり衰退します。
この変化をきっかけに、新たなビジネスが生まれたり消え去ったりもします。今エネルギーを貯めこんでいるときですから、その後に起こる社会の変化には今から注目です。
【ひと言】
人口移動のようなデータを利用するとき、事前に適切な仮説を立てれるかどうかによって、ゴミにも宝にもなると言われます。東京から転出する人はどんな意図によって動くのか。近年の思考方法では、一人であれこれ考えるより、「大勢の脳をつかった方が核心に迫れる」ことがはっきりしています。
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