コロナ禍を一過性の出来事として、今後1、2年の時間が経つとまた以前に戻ると考える人がいます。また戻る部分もあるけれど、戻らない部分も多いと考える人もいます。
企業経営の視点で考えますと、全てが元に戻るならば新たな起業が成功する余地はビジネス界に少ないです。恒久的に変わらない部分に起業が参入する余地は広いはずです。
わたしが住む東京・多摩地区でビル設備関連の会社を経営するMさんは、初めてIT関係の設計ができる40代技術者を副業スタッフとして採用しました。現在の会社のネット環境を依頼しているIT企業に不満を抱えていたからです。
月々高額の費用を支払っているのに、一括して依頼しているネットワークではほとんど利益を生んでいません。また、費用も相手会社のいい値で決められていて、次第にバカにならない額に膨れ上がっていました。
中小企業経営者の多くは、IT環境に関してほとんど情報や知識を持っていません。そのため、最初に導入した時に関わったシステム会社が、社内全てのネットシステムを一括して仕切ることが常態化しています。
システム会社も、できるだけ手間をかけず収益の最大化を目指していますから、情報も知識もない会社はありがたい存在です。いつまでも古いシステムのまま、安全第一に最小限の機能でつながっていることになります。
この仕組みを考え直すきっかけとして採用したのが副業のスタッフです。Mさんはエンジニアに対して、ネットシステムを活用して少しでも収益を上げることを期待しています。また、現在の契約しているシステム会社の切り替えも考えています。
現在副業は、雇われる側の事情ばかりが話題になっていますが、採用する会社側にとっても大きなメリットをもたらします。問題は、何が会社経営にとって重石になっているか、的確に見つけること。
コロナ禍が収まって会社には、変えなければいけない点と、変えてはいけない点とが見えてくるはずです。これは、個人にとっても同じことですが、冷静に見据える必要があります。
【ひと言】
新内閣の組閣で思うのは、大臣に最適な人の能力を考える前に、菅首相との間に接点がないと大臣にはなれないことです。企業でも同じで、会社で出世する人と接点がないと、いつまでも出世することがありません。副業は、まったく知らない会社組織との接点をつくるきっかけになります。日本の転職が遅れているのも、この副業の活用が少ないためかも知れません。
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