恥ずかしながら、カラオケでよく歌わせてもらう「東京ららばい」「真夏の出来事」などを作曲した筒美京平さんが亡くなりました。1970年代、80年代、ヒットした個性的歌謡曲の多くは、筒美さんが手掛けた曲でした。
歌謡曲の世界には、一時期のヒット曲をほとんど同じ作者が手掛けるケースがあります。作曲ですと、鈴木邦彦、戸倉俊一、小室哲哉、作詞ですと松本隆、阿久悠、橋本淳などの先生たちが作られた曲。
その一時期が10年であったり、20年ってことはありますが、ある時期を過ぎますとぱったりと売れなくなります。以前と似たような曲想であっても、まるで舞台の緞帳が下りたようにその後の曲は、多くの人の口から歌われることはありません。
この現象は、楽曲のみならず、ドラマ、映画、演芸などお客さんの関心を集める人気商売の世界に共通しています。作り手や演じ手にとっての旬の出来事です。作り手の波長と時代の波長と重なった時に、たいへんなエネルギーが生まるためのようです。
この現象は、芸能の表舞台ばかりでなく、ビジネスにおいても似たような傾向がみられます。自分の世界とも云える一つの事業に打ち込んでいるとき、お客さんは今何を望んでいるか、メーカーサイドは何を作りたいかを俯瞰できるときです。
その旬の時に、勤めている会社のために力を発揮するか、自分のために起業するのか、判断を求められます。20年前ですと、まだ終身雇用制が健在でしたから、会社を辞めずに退職まで続ける人は大半でした。
現在は雇用環境が大きく変わっています。大半の会社は、経営幹部として会社に必要としている人を除くと、ほとんどの高給を支払っている中高年社員には、早く退職して欲しいのが今の会社の現状です。
ある程度以上の能力のない人の場合、起業するなど考えないと思いますが、有能な人は起業するかどうか悩むことが多いと思います。自分の人生をこれまでと将来とを考え、ご自身の旬をどう演じるか考える必要がありそうです。
【ひと言】
ヒットメーカーが一時代を席捲する背景には、同世代を取り込む強力な磁力があると言われます。同じ空気の中を生きてきた人たちには、目には見えない共通項があって、ビジネスの世界ではマーケティングでの強力な武器になります。販売で顧客ターゲットを設定するときは、この世代の共通項を擽る作戦は当たる可能性が強いです。
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