現代は、対面販売でもネットでも、市場に商品も情報も溢れていますから、なかなか思うように売れないというのが決まり文句です。自分が買う側に立って考えると分かりやすいですが、どこにでも見かける商品には関心が向きません。
と言って、市場に出回っていない商品を探すには大変な苦労が必要です。また希少品を探しだしても売り出すコスト、もし上手く売れたとしてそこから上がる利幅、その後のライバルの登場など考えますと、やる気も失せる経営者は少なくないです。
そのような時、ヒントとして参考にして欲しいのが“犬笛戦略” 犬笛は、犬のトレーナーが訓練の時に使用する笛のことで、犬が聞き分ける16000Hz~22000Hzの周波数で音を響かせることができます。
人間の耳は、20Hz~20000Hzまでの周波数を聞けますから、20000Hz以上の高周波は犬しか理解できません。犬笛は、トレーナーと訓練犬とだけに通ずる高周波を介して、トレーナーの意思を犬に理解させようとする手法。
ビジネスとして活用する場合は、販売する商品の品揃えをする時の絞り込みや、販売にあたって特定の人に情報伝達するための選択法など、商品価値やその希少性を知る人に絞って販売する手法です。
英語の汎用学習テキストを販売して上手くいかなかった人が、海外とのネット取引用専門テキストに切り替え成功した例がありました。特に、ネット販売においては、海外に市場を広げられますから、特定マニア向けでも集客は可能です。
ただ犬笛戦略の活用は、誰にでもできるわけではありません。自分が参入する市場のニーズの在処に関して、ある程度現状認識ができていないと22000Hzの犬笛を吹くことは不可能です。
現在のビジネスでは、素人客を相手するのは大半が大手企業です。安い価格で、使用ノウハウの伝達法などよく知っています。そのため、小企業が活躍できるのはある程度以上のレベルのお客さんと考えた方がよさそうです。
【ひと言】
その昔、ドックトレーナーが犬笛を使って訓練しているのを見学させてもらったことがあります。猟犬の訓練でしたが、犬笛を鳴らすと鹿を探しに行っていた犬が戻ってきます。ただ、その笛の響きはわたしにも聞こえています。人の耳には聞こえないはずの周波数ですが、トレーナーの側ではよく聞こえていました。どうも事前知識とは違っていましたが、質問もできなかったことを思い出しました。

人気ブログランキングへ