大企業から小企業まで、大きな成功を収めた事業の柱を持っている会社は、新たな事業に挑戦してもなかなか成功しないのはご承知かと思います。わたし自身も経験のあることですが、上手くいかないですね。
頭の中が柱となる事業から離れられないことが原因で、経営者から社員まで誰もが、似た仕組みの事業やシナジー効果を自然に考えるためのようです。同じ傾向は、社員が考える新企画にも表れてここでも失敗の原因となっています。
現在は、どこの会社もイノベーション、イノベーションを連呼していますから、この“過去の成功のワナ”で苦労している人は大勢います。人間の脳の自然な働きに忠実な人ほど、失敗は免れないと思った方がよいです。
多分何度か失敗を重ね、成功体験が頭からすっかり抜けた時にやっと上手くいく事業や企画が生まれます。このような経験は、気付いていないかも知れませんが、ビジネスに関わる人ならば大なり小なりしていて苦労をしてるはず。
決して新しいことは始めない方がよいなどと、暴言を吐く気はありません。今の時代、商品やサービスの寿命は短くなっていますから、早く次の事業の柱を探す必要性は誰もが理解しているはずです。
参考になるのは、「月刊 事業構想」19年8月号の“新規事業成功のポイント” ここでは要約しますと、新規事業をする時は「現在の柱となっている事業とはまったく毛色の違った事業」をすることで失敗から逃れられるとしてます。
わたしが関わった経験では、成功を経験していない若い人や外部の人を入れてチームを作るのもよいです。いかにして、頭の中から成功体験を外すことができるか、これがポイントと思いますがよい方法を考えてみてください。
【ひと言】
米国は、新規事業でも、今流行りのDXでも、あまり失敗しないで行っているようですが、その要因はやはり人の入れ替えがあるようです。しかも、最適人材を採用してチームを組みますから失敗も少ないはずです。日本の場合、チームのスタッフは同じメンバーですから“過去の成功のワナ”には落っこちやすいです。原因ははっきりしていますから、どうワナを避けるかにかかっています。
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