コロナ禍の発生以降、現在の経済状況が非常に分かりづらくなっています。大手企業の3分の2が赤字や減益で苦しんでいるのに、政府が抱える多額のコロナ対策費によって変な安心感が醸し出されているからです。
そこでコロナ禍を除いた現在の経済環境に関し、少し整理してみようと思いました。まず目先の経済状況ですが、世界的に昨年が好景気のピークで、今年はコロナに関係なく徐々に下降線を描くことは確かです。
また、近年は10年程度の間隔で大型不況が到来していて、ここ数年は何時到来してもおかしくない環境でした。97、98年のアジア発金融恐慌、08年のリーマンショック、2018年以降は要警戒のゾーンに入っていました。
それに加えて、最近自分が気づいたことですが、21世紀型ビジネスが次第に社会に浸透し始めているのではないということ。今から10年ほど前、20世紀型から21世紀型ビジネスに代わると言われました。
最近、この論調はすっかり下火になりましたが、現実には当時の仮説が現実となって広がっています。その代表例は、モノからコトへ売る対象の変化です。商品を単品で売るのではなく、パッケージとしてのコトを売る時代が今始まっています。
また、ビジネスでの説明にあたっては、これまでの勘に頼る感覚重視から、根拠となる数字による表示を重視したデータ活用が幅を効かせます。そのためにデジタル社会へと変革が今進められています。
会社組織も、ピラミッド型やツリー構造の階層化があらゆる会社で採用されていましたが、新しい会社ではフラットな組織が広がっています。部長や課長はいなくなって、リーダーやマネージャーが組織運営を行います。
原価+付加価値=価格は価格設定の基本でした。21世紀型では、会社資産×デザインプロセス=顧客価値の知識社会づくりのパターンです。売上げより、会社と顧客との価値を高めることを目標にしています。
20世紀が製造業モデルばかりを重視したスタイルだったのに対し、時代の変化に合わせたサービス業モデルが今後は広がります。長い労働時間が重視される働き方は、製造業でしか通用しない考え方です。
今後は、イノベーションを生みやすく持続可能な会社づくりが、小企業においても求められます。これまで、SDGs、行動経済学、デザイン思考などが、わたしの中ではやっとつながりました。
コロナ禍の中でも、業績が一段とよい会社と他の会社と同じように苦境にあえぐ会社。それぞれの会社の背後には、20世紀型企業と21世紀型企業との見えない企業モデルが、はっきりと業績として現れていると思っています。
【ひと言】
ピーター・ドラッカーによると、新しいスタイルの会社は既によい業績を残して存在しています。21世紀になって一斉に代わるわけではなく、個々の経営者の力量によって生まれ変わっているはず。小企業であっても早くこの変化に気づいて、会社の持続可能性を高める努力を早くするべきです。
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