今年はアマゾンが日本での営業を始めて20年です。最初のころは、最先端をいくネット販売による小売りとして、スタバやアイホーンと並んでアマゾンで本を買うことが、日本ではトレンドでした。
その結果、わが国では書店の約半数が閉店に追い込まれ、百貨店は3分の1の店舗が店を閉じています。イオン、セブン&アイ、ファーストリテイリングに次ぎ、国内第4位1兆7443億円(19年度)の売上げにまで成長しています。
一説によりますとアマゾンの通販部門は、北米を除くと赤字経営と言われています。柱のクラウドサービスが大きな利益を上げているので、通販では無理な事業展開はしないとも。無料配送は、そんな展開の結果かもしれません。
ただ、そんなアマゾンの事業展開に依存し過ぎることによって、日本の小売り市場では起業する人が減り続けています。個人の力でアマゾンに対抗するなんてことは、誰が考えても無理な話です。
そこで参考にしたいのは、カナダで創業したEC(電子商取引)システムの「ショッピファイ」です。このIT企業は、「たくさんの成功する中小企業」を誕生させるため175カ国に100万を超す中小事業者の支援をしています。
正面切っては言っていませんが、アマゾンに対抗することを目的にサイト作成、顧客管理、決済配送など、ECに必要なノウハウを世界規模で展開しています。日本においても、既に事業は始まっています。
この会社、アマゾンから10年遅れの2004年にネット販売を始め、現在は北米でアマゾンに次ぐ第2位のEC企業に成長しています。しかも、社員数は約5千人、アマゾンの80万人とは比べものになりません。
しかし、ショッピファイのシステムを利用している小売業者の雇用は210万人(19年)と言われます。アマゾンの従業員の多くは、AIやロボットにとって代わられやすい低賃金の単純労働者ですから、成功する中小企業づくりは上手くいっているようです。
アマゾンが量を頼りにした20世紀型ビジネスなら、ショッピファイは各店舗の質と雇用とを考えた21世紀型に変わる可能性が大きいです。最近はアマゾンに対する逆風が強いですが、日本でも対抗策を考える必要があります。
【ひと言】
長年、アマゾンで買い物、特に書籍を多く買っていましたが、アマゾンを語るスパムメールの多さに呆れて地元の書店で買うようにしています。自分の名前が勝手に商品紹介のレビューに使われたり、アマゾン発のスパムメールに名前が書きこまれたり、偽アマゾンに呆れたためです。買い物をしないと決めると、口座を閉じますとのメールにも心配する必要がなくなりました。
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