コロナ禍の今年も秋の競馬シーズンが盛り上がっています。年末の有馬記念まで、毎週末大金が飛び交い勝った負けたと大騒ぎが続きます。競馬というと事業を行っている人にとっては、会社の資金を使い込んで新聞沙汰になった話ばかりが思い浮かびます。
使い込む大半の人は、馬券の買い方も知らないで初めて買った馬券がそこそこの大穴を当て、そこから深みにはまる人のケースです。何も知らないで当たるものなら、よく知ったならばどれほど当たるものかと買い続け、その結果身動きが取れなくなくなった人は少なくないです。
人間無心なら勝てたのに、大きく儲けようと欲を出した途端に、勝ち運から見放されるのは競馬に限った話しではありません。ギャンブルばかりでなく事業やビジネスにおいても、欲の皮が突っ張ると頭の働きが硬直して、柔軟に考える思考力を失ってしまいます。
最近のビジネスの傾向で言いますと、若いビジネスパーソンほど自分が儲けることより、お客さんに役立つことかどうかで考えることのできる人が多いように思います。中高年の人は、最初に自分の利益になるかどうかこだわる人が多いのが特徴。
大事なことは何故事業を行うのか、その方向性に秘められた問題があるようです。ギリギリの資金で起業している人の場合、資金繰りが厳しいためにどうしても利益ばかりに目が向くようで、柔軟な思考が求められる事業を行うためには余裕をなくしています。
少し綺麗事に聞こえるかも知れません。しかし、現在の21世紀型ビジネスにおいては、ビジョン(使命)、ミッション(志)、バリュ(価値観)といった、従業員や社会と経営者とが結ぶ約束を実現するためには、個人的な欲をだしていては何も実現できません。
以前ですと、最初は欲を丸出しにした起業をしても失敗を重ねるうちに徐々に角が取れ、無欲で事業を成功させた経営者は大勢いました。現在は、強欲な発言がSNSに記録として残り、多くの人の反感を買って事業の道が閉ざされるケースさえあります。
起業する人は事業計画やマーケティングを学ぶばかりでなく、人間的度量を大きくすることも考えるべきです。他人との横のつながりが求められるのも21世紀型経営ですから、一人だけで何でも解決できるとは思わない方がよいです。
【ひと言】
トランプ大統領を見ていると無心の大事さをとても感じます。2016年の大統領選挙は、まさか当選するとは自分でも驚いている感じを受けました。相当計算し尽された出馬と選挙運動が当たり、予想外の得票で当選しました。ほとんど無欲の勝利といえます。2020年、米大統領選史上ではたった3人しか現職大統領は負けていませんから、まさか自分が負けるとは思いもしなかったのでは。欲を張りすぎるのは、やはり失敗する第一の原因になりそうです。
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