YouTubeで過去の相撲実況をみていますと、満員の観客席がたいへん懐かしくなります。今年のはじめまでは、あの溢れるほどの観客の前に大相撲が行われていました。今月の11月場所は、土俵回りもガラガラで寂しい限りの相撲でした。
ビジネスの世界もこれまでは、いかにお客さんを一人でも多く集められるかで勝負をしていました。それが新型コロナウイルスの感染拡大防止が一番の課題になったため、お客さんの方で人が多く集まる場所には出向いてくれなくなりました。
集客を目的にしていては営業をしても、なかなか黒字にはならない問題もでています。現在開業している飲食店は、いかに赤字を減らすかに重点を置いているようです。コロナ禍の下では、一カ所に集客数を増やすことを目的にしたビジネスモデルは厳しいです。
コロナ感染者が各地で多数発生してからは、元気なビジネスというと料理や商品などの配達を行うデリバリービジネスです。料理宅配では一人勝ちと言われる出前館は、元々ネットによる宅配プラットフォームづくりが流行った2000年前後に開業した会社の一社で、旧社名は「夢の街創造委員会」
まさか感染症の大流行がこんなに追い風になるとは想像していない時代に生まれています。現在もデリバリービジネスの拡大は続いていて、メガネ店が希望者宅に出向いて販売をしたり、料理人が個人宅に訪問して食事会用の調理をするなどラストワンマイルは競争が激しくなっています。
問題と思われるのは、今後1、2年してコロナ禍が収束に向かった時、デリバリービジネスが役目を終え姿を消してしまう心配です。現在、新たにデリバリーの参入を検討している人の多くは、競争の激しい地域の宅配競争がいつまで続くのか心配を抱えています。
どんなビジネスでも、初めて市場参入するにあたっては心配があります。心配のない市場なら、人気がないから止めた方がよいと考えるべきです。そこで考えるべきは、他の会社とは違うユニークなビジネスモデルをしっかり考えて参入できるかどうかです。
これまでのデリバリービジネスを見ていますと、単に人手があるのでデリバリーといった安直な発想では、大半の会社が1年も持たずに消えています。対象とする業種、配達の仕組み、スタッフ教育、横の展開などよく考え、独自のスタイルが確立できるならコロナ後も生き残れます。
【ひと言】
デリバリーというより宅配や出前とビジネスは、元々この国では慣れ親しんでいたビジネスです。成長期の人手不足で姿を消していましたが、今でも住宅街には蕎麦屋、中華料理店、ピザ屋などのバイクが走り回っています。忙しくて料理を作る時間がないとか、出向くことのできない人は大勢いますから、コロナ後もニーズは衰えないと思います。
人気ブログランキングへ