コロナ感染が広がるなか、日本人の多くが今恐れているのは、無症状の感染者が自分の身近にいるのではないか? もしかすると、自分自身がその無症状者ではないかという心配です。
新型コロナウイルスの感染者が国内で広がり始めた初期段階で、政府の対応はもっぱら体温が37.5度以上の人が要注意でした。当然この段階では、無症状の感染者が出てくるなど想像できない段階です。
次第に感染者が増えるに従い、味覚がなくなるとか、身体のだるさが半端でないとか症状が知られるようになりました。ただ、無症状者がけっこういるなんてことは比較的新しい情報です。
そこで問題になるのは、政府が初期段階から感染者かどうかを調べるPCR検査を積極的に行わなかったことです。検査だけで感染拡大を抑え込むことはできませんが、拡大防止と感染症教育を国民に行うことはできます。
起業やビジネスにおいても、事業計画を立てる初期段階で誤りを犯すケースはよくあります。特に現在のように変化の激しい時代は、スマホの登場でデジカメが売れないようなケースが次々と起こります。
深夜営業で大きな利益を上げてきた、飲食店や居酒屋は壊滅状態です。アマゾンが近く進出すると言われる生鮮食品や園芸業界も、今後厳しくなると予想されています。
失敗を避けるためには、事業計画を作る段階で多くの人のアイデアや情報を集める必要があります。また、多くの人の話を聞いているなかで、これまで考えもしなかった新たなアイデアが生まれることもあります。
政府は、無症状の発生といったこれまでの発想を覆すような事実が分かった段階で、方向転換してPCR検査を大幅に導入することも可能でした。間違っていることが分かったら、直ぐに方向転換する勇気が必要です。
コロナ感染は、政府の意思決定のプロセスを考える上で大変参考になる事例です。我々国民は実験用モルモットのようなものですから、優秀な政治家に任せないとこの国が残念な結果になるような気がします。
【ひと言】
ビジネスの世界の判断方法が大きく変わっています。ここで何度も書いていますが、一人の優秀なリーダーが全てを判断する時代は20世紀の発想で、21世紀は人を集めて自由に論議する中からリーダーが選択する方法に変わっています。最後はリーダーの判断ですが、そこまでのプロセスは大きく変わりました。しっかりした根拠のないアイデアを避けるための工夫とも言えます。
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